埼臨技会誌 Vol.68
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生 理◎栗原 亘1)、前田 ひろみ1)、上岡 拓実1)、浅野 芳徳1)、濱田 卓也1)、玉元 詩織1)、土井 尚1)◎栗原 亘1)、前田 ひろみ1)、上岡 拓実1)、浅野 芳徳1)、濱田 卓也1)、玉元 詩織1)、土井 尚1)株式会社アムル 上尾中央臨床検査研究所1)株式会社アムル 上尾中央臨床検査研究所1)◎松本 紗季1)、阿部 るみ子1)、倉重 智子1)、塚原 晃1)◎松本 紗季1)、阿部 るみ子1)、倉重 智子1)、塚原 晃1)戸田中央医科グループ 戸田中央総合病院1)戸田中央医科グループ 戸田中央総合病院1)75科を受診。スクリーニング目的に心電図検査依頼があり実施、V2~V5にてST低下・頻脈を認め、胸痛も訴えていたため、主治医へ異常値報告を行った。血液検査にてCKの上昇も認め、一般内科主治医から心臓血管内科に紹介され、急性冠症候群として緊急入院。冠動脈造影検査(CAG)と経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行されCAGにてLCX#12に90%、#13に90%の狭窄を認められたため、PCIにてステント留置により血行再建が行われた。【考察・結語】患者の主訴のみで疾患の特定は不十分であり、検査を実施する事で疾患の特定が可能となるが、今回の症例のように直ちに主治医へ異常値報告したことにより早期発見・専門医への相談紹介、治療に結びついた症例を経験し、速やかな異常値報告の重要性を改めて認識した。また、異常値報告をするか否か迷う症例に遭遇することもあるが、技師個人の知識向上はもちろん、科内の情報共有や更なる標準化も継続的に行っていく事が必要と考える。連絡先 048-442-1111(内線2824)ホルター心電図解析装置DSC-5300導入における基礎的検討当院における生理検査室の異常値報告および報告後の臨床経過20分,総心拍数111,442拍,最大心拍数157拍/分,最小心拍数50拍/分,平均心拍数82拍/分,心室期外収縮5拍,上室期外収縮15拍,その他の心拍30拍であった.【考察】今回,被験者を1名にて基礎的検討を行った.記録期間が2機種間で異なるため日差変動を考慮した検証ができていない.今後,被験者の対象を拡大した検証を行う必要があると思われた.【まとめ】DSC-5300における自動解析の解析数値は一致しており同時再現性は良好であった.2機種間の解析数値について大きな乖離は見られず相関性は良好であり,ホルター解析装置としてDSC-5300はSCM-8000と同等の性能であることを確認した.今後,顧客のニーズに応えるべく,2社の機器に対応する事業体制を構築したい.連絡先:048-912-3111(直通)【はじめに】当施設は上尾中央医科グループの共同利用施設としてホルター解析事業を行っている.現在,フクダ電子社製の解析装置を用いて実施しているが,今回顧客のニーズに応えるべく,新たに日本光電工業社製の解析装置を導入することを目的に基礎的検討を行ったので報告する.【対象】当施設の健常職員(男性42歳)を被験者とした.【方法】日本光電工業社製機器とフクダ電子社製機器に対応する記録器を用いて波形を記録し,検討機器の同時再現性および2機種間の相関性の確認を行った.検討機器として日本光電工業社製の解析装置DSC-5300(以下DSC-5300),記録器RAC-5103,対照機器としてフクダ電子社製の解析装置SCM-8000(以下SCM-8000),記録器FM-960を使用した.【結果】DSC-5300の解析数値は有効計測時間23時間56分,総心拍数109,959拍,最大心拍数143拍/分,最小心拍数41拍/分,平均心拍数80拍/分,心室期外収縮12拍,上室期外収縮70拍,その他の心拍4拍であり,同時再現性について10回自動解析で各項目の解析数値は全て一致していた.対照としてSCM-8000の解析数値は有効計測時間23時間【目的】当院の生理検査室では、異常値報告基準を設定し、主治医へ異常値報告することで疾患の早期発見・治療につながるよう体制を整えている。今回、異常値報告の現状と報告後の臨床経過を追跡したので症例を交えて報告する。【対象・方法】(対象)2020年8月~2021年1月に生理検査室で異常値報告を行った患者。(方法)異常値報告を行った心電図検査、ホルター心電図検査、心臓超音波検査、血管超音波検査について異常値報告後の臨床経過を調査し集計した。【結果】合計報告数:192件。内訳:心電図検査74件、ホルター心電図検査27件、心臓超音波検査22件、血管超音波検査69件。報告後の臨床経過(重複あり):他科への紹介77件、カテーテルや手術・薬剤療法134件、入院14件、経過観察29件、紹介・治療に至らず29件。今回、主治医への異常値報告が有用であった症例を提示する。【症例】70歳代女性。心疾患既往なし。来院の3日前から左胸~左肩の鈍痛が出現し、数時間持続。その後症状は改善したものの左の肩甲骨付近にだるさを感じ当院の一般内生-15生-16当院における生理検査室の異常値報告および報告後の臨床経過ホルター心電図解析装置DSC-5300導入における基礎的検討生理EntryNo. 84生理EntryNo. 76

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