埼臨技会誌 Vol.68
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○ 坂田 裕二、篠原 克幸、北村 匡(日水製薬株式会社)125【背景】 臨床検査における生化学項目では、どこの医療機関を受診しても、測定方法の標準化がなされており、同じ測定結果が得られ、基準範囲も臨床化学会から共用化基準範囲が提唱されて同じ基準範囲が浸透してきている。それらに伴い検体検査の精度の確保・標準化について質の向上が求められ、内部精度管理による精密さ、大規模外部精度管理により正確さが確保される事となった。ただし大規模外部精度管理調査は年に1回程度であり、より短いスパンでの外部精度管理調査での正確さの確認を要望される流れとなっている。今回、パソコンを用いてInternet回線を利用した内部精度管理と外部精度管理を同時に実施、帳票までをスムーズに報告する事を目的とした精度管理システム“NI-QCS”を開発したので報告する。【精度管理システムへの要望】・目標値(表示値)との比較検証・施設間の互換性の確保・リアルタイム集計・施設内での比較(複数号機、月間比較など)【NI-QCSとは】 NISSUI-PHARMCEUTICAL Quality Control System です。ISO 15189 や病院機能評価の要求事項に対応し、検査室の使いやすさを追求した精度管理システムを目指して構築しました。【活用方法】1)マンスリーレポート 入力月の翌月には統計処理を自動で行います。 ①測定値一覧 ②X管理図と装置内精度 ③全国集計  (ツインプロット図、全方法、施設グループ、試薬別) ④月報推移 ⑤装置内・装置間、検査室内総合精度分析2)異常判定ルール  項目ごとに、Lスイトロールに付与されている正確さの管理限界や施設独自の許容範囲を設定する事が出来る。3)グループ集計  報告されている全施設の中から、グループ施設のみで統計処理やツインプロット図、グループ内の各施設の状況を閲覧する事ができる。【実施製品】L-スイトロールL-コンセーラL-コンセーラDL-スイトロールU※※開発中生化学生化学+血中薬物尿生化学 【システム導入のメリット】 ISO 15189で要求される内容を含んだマンスリーレポートを自動的に作成しますが、その中にはX管理図・装置内精度の他に、全施設や試薬別の統計とツインプロット図の作成、月報推移にくわえて装置内、装置間の比較を行い検査室内総合精度分析と多岐にわたるレポートを自動作成して資料作製業務を大きく軽減します。図)X管理図と装置内精度、全方法、試薬別【まとめ】 “NI-QCS”を使用する事で、従来の精度管理システムでは不足していた施設グループ、試薬別、検査室内総合精度分析やグラフ作成含めた実施記録が自動出力される。 ユーザビリティ向上として登録作業の簡便化なども行われており、内部精度管理と共にリアルタイム外部精度管理を行えるため、検体検査の確保・標準化の向上に貢献し、ISO 15189や病院機能評価を取得・維持するうえでも有用であると考えられる。資料請求先:03(5846)5629図)L-スイトロール®Plus「ニッスイ」 外観CM演題-6臨床化学検体検査の精度確保と精度管理システム“NI-QCS”の開発と有用性について

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