埼臨技会誌 Vol.68
119/138

教 育本学における臨地実習前の抗体検査に関する報告書の現状について◎石井 恭子1)◎石井 恭子1)女子栄養大学1)女子栄養大学1)117【はじめに】本学では、埼玉県、東京都を中心に20前後の施設に臨地実習を依頼し、1施設1~2名の学生がお世話になっている。臨地実習前に必要な小児感染症のワクチン接種に関しては、日本環境感染学会の医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版の改訂版にワクチンより免疫を獲得する場合の接種回数は1歳以上で「2回」を原則とすることが明記された。本学の学生は、4年次7月からの臨地実習に際し、3年次にB型肝炎ワクチン接種を開始し、小児感染症(麻疹・風疹・水痘・ムンプス)の抗体価の測定及び陰性者は追加ワクチン接種を行っている。この結果については、本学で作成した感染症関連記録を各臨地実習施設に提出している。【目的】本学臨床検査技師コースにおいて、2017年度から2021年度に臨地実習施設に提出した感染症に関する報告書の検査項目、基準等について調査した。【結果】2017年度に施設指定様式により抗体価の提出を求められた施設は3施設、当該年度依頼施設数の15%であったが、2021年度には10施設、同47.6%に増加した。追加検査としてQFTあるいはT-Spot等の依頼施設は、調査年度間では15~20%前後であった。母子手帳による小児感染症の罹患歴の確認がある施設は2017年度の15%から2020年度41.7%、2021年度52.4%に増加した。追加ワクチン接種の証明書の提出は、2017年度2施設10%から13施設61.9%に増加した。抗体検査結果の他に、健康診断証明書の提出を求められた施設は2017年度の25%から2020年度50%、2021年度47.6%に増加した。【考察】臨地実習依頼先へ提出する検査項目等を調査した結果、近年、追加ワクチン接種のみならず、追加検査、施設指定様式による結果提出が増える傾向がみられた。養成校としても感染予防の重要性を改めて再認識するとともに、学生への感染予防に対する指導を低学年のうちから行い、意識の定着を進めることも必要ではないかと思われた。連絡先 049-282-3718(直)教育EntryNo. 83教-4本学における臨地実習前の抗体検査に関する報告書の現状について

元のページ  ../index.html#119

このブックを見る