埼臨技会誌 Vol.68
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管理運営【はじめに】受入不可検体とは検体の凝固(以下凝固と略す),識別不良(検査ラベルのない検体)などの理由により検体受入れができず,検査不可もしくは再採取になる検体である.検体採取状況を調査し,凝固や識別不良などの受入不可検体が減少することで,今後の検体検査の品質向上,医療安全活動に役立てるために行った調査について報告する.【方法】受入不可検体の原因分析のため,外来・病棟の看護師を対象に採血を実施する看護師数,採血方法(真空採血・シリンジ採血),シリンジ採血の場合それを選択する理由のアンケートを実施した.また,識別不良においては貼付できない理由についてアンケートを実施した.【結果】集計結果はクエン酸血漿,EDTA全血の凝固が最も多かった.1ヶ月のクエン酸血漿,EDTA全血の全体の検体件数は25,906件であり,そのうち,検体の凝固の割合は0.29%だった.凝固の内訳としては採血室が1.3%,外来・病棟で採血した検体が98.7%だった.アンケート結果は,看護師の採血者数は725人だった,採血方法の内訳は真空採血の割合は55.0%,シリンジ採血の割合は27.4%だった.シリンジ【はじめに】当院では2021年2月より感染対策の強化を目的として紫外線除菌器Vray(エコデバイス社)を導入し,各病棟・外来・検査室などに配置した.そこでVrayの性能を確認するため①各菌種に対する除菌効果,②尿と喀痰に対する除菌効果について検討したため報告する.【対象と方法】①Staphylococcus aureus,Escherichia coli,Pseudomonas aeruginosa,Bacillus subtilis(芽胞形成あり),Candida albicansの5菌種を対象とし,各々McFarland0.5に調整した菌液をヒツジ血液寒天培地3枚に塗布した. 添付文書に従い,99.9%除菌が可能とされている5cmの高さから5秒間照射,20cmの高さから10秒間照射した培地を35℃24時間培養し, 非照射(対照)との発育菌量を比較した.②尿3検体,喀痰3検体を対象とした.尿は5mL,喀痰は2mLずつ滅菌シャーレ2枚に分注し,5cmの高さから5秒間照射した検体と10秒間照射した検体をそれぞれよく撹拌した後,ヒツジ血液寒天培地に塗布して35℃24時間培養後,非照射(対照)との発育菌量を比較した.【結果】①5cmの高さから5秒間照射を行った結果,Bacillus採血を行う理由は,ライン採血時やシリンジ採血の慣れ,採血困難時,真空採血への不安や不信などが挙げられた.ラベルを貼付できないケースは患者の急変・急患(口頭指示)が最も多かった.その他には採血失敗により新しい採血管で採血する時,医師が採血した時などがあった.【考察】当院では,採血手技は真空採血を推奨されている(ライン採血は除く).シリンジ採血を行うことで,採血管へ分注するまでに時間がかかり,血液が凝固し,受入不可検体の増加に繋がったと考える.識別不良は急変・急患時以外の場合に関しては,検体採取前の検査ラベル貼り付けのルールを徹底することで防止できると考える.【まとめ】アンケート回答を受け,院内で実施しているe-ラーニングや採血手技を説明した講習会を実施することを検討する.病棟に採血方法をまとめたポスターを配布し,受入不可検体数に変化があるか経過を追っていく.識別不良に関しては,今後,検査部側から運用改善を考え,推奨したい.連絡先 049-228-3498◎今瀬 貴子1)、大野 優子1)、多田 佳美1)、中野 咲1)、室谷 孝志1)、竹下 亨典1)◎今瀬 貴子1)、大野 優子1)、多田 佳美1)、中野 咲1)、室谷 孝志1)、竹下 亨典1)埼玉医科大学 総合医療センター1)埼玉医科大学 総合医療センター1)◎宮本 菜夕利1)、渡辺 駿介1)、永野 雄二1)、阿部 美智子1)、猪野 晋慶1)、野瀬 和彦1)◎宮本 菜夕利1)、渡辺 駿介1)、永野 雄二1)、阿部 美智子1)、猪野 晋慶1)、野瀬 和彦1)深谷赤十字病院1)深谷赤十字病院1)113UV-Cを用いた紫外線除菌器による感染対策効果の検討~院内の再採血撲滅に向けて~再採血減少を目標とした活動研究 subtilisでは対照との発育菌量に差は認めなかったが,それ以外の4菌種は対照と比較し,発育菌量は有意に減少した.また,20cmの高さから10秒間照射を行った場合,5菌種全てにおいて対照との発育菌量に差は認められなかった.②尿と喀痰に5秒及び10秒間照射を行った結果,ともに6検体全てにおいて対照との発育菌量に差は認められなかった.【考察】芽胞形成菌では5cmの高さから5秒間照射で除菌効果は認められず,芽胞形成菌に対しては効果がない,あるいは長時間の照射が必要であると考えられた.一方,それ以外の菌種では除菌効果が認められたため,咳などで飛沫した微粒子に対しては有効であると考えられた. また,尿や喀痰では表面のみに紫外線が照射され,内部まで届かなかったことにより,除菌効果が認められなかったと考えられた.そのため尿や喀痰などが付着している場合は,紫外線照射前に清拭を行い取り除いておく必要性を感じた.今回の検討結果を院内で共有し,より一層の感染対策に努めていきたい.        連絡先:048-571-1511(内線1877)管理運営管理運営管-6管-7~院内の再採血撲滅に向けて~EntryNo. 20EntryNo. 6UV-Cを用いた紫外線除菌器による感染対策効果の検討再採血減少を目標とした活動研究

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