埼臨技会誌 Vol.68
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チーム医療査11件,脳卒中ホットラインの迅速検査4件.その他の業務は,CT検査などの患者搬送,バイタル測定,患者の衣服更衣の介助等,マニュアル以外の業務にも自主的に対応したことがわかった.しかし,普段からERスタッフと接点が多いスタッフと,そうでないスタッフでは,コミュニケ◎向井 絵摩1)、黒岩 あすか1)、川野 智美1)、芦 直樹1)、鈴木 朋子1)、菊池 裕子1)◎向井 絵摩1)、黒岩 あすか1)、川野 智美1)、芦 直樹1)、鈴木 朋子1)、菊池 裕子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)◎森田 輝明1)、指田 進也1)、瀬山 良美1)、関根 星香1)、廣瀬 まどか1)、坪井 茉優1)、安藤 恭代1)◎森田 輝明1)、指田 進也1)、瀬山 良美1)、関根 星香1)、廣瀬 まどか1)、坪井 茉優1)、安藤 恭代1)社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院1)社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院1)109【はじめに】当院では2018年4月より難治性潰瘍の治療を主としたフットケア外来を開設し,臨床検査技師がフットケア外来診察室内で足皮膚組織灌流圧(以下SPP )検査を施行している. 今回,運用開始から3年が経過する中で発生した問題点と改善に向けた取り組みについて報告する.【問題点】①患者数の増加によりSPP検査数および足関節上腕血圧比/脈波伝播速度(以下ABI/PWV)検査数が増加し,予約検査外の依頼が増加した.②ABI/PWV検査は5~10分の検査時間であるが,フットケア外来患者は移動困難な患者や創傷患者が多く,検査時間に超過が生じた.③創傷患者においては検査準備・検査時間に通常患者の倍以上の時間を要し,検査装置の汚染も懸念された.【取り組み】①SPP検査開始当初は2名の担当者で行っていた運用を8名に増員し,週1回のフットケア外来以外でも検査を実施【背景】当院は,年間8,000台の救急車を受け入れる北米型ERの急性期病院である.救急外来(以下ER)には日勤帯に検査技師が2名常駐する.ERの冬期準夜帯は繁忙を極めるため,2019年度より医療貢献を目的に,ER残り番業務を開始した.しかし当初は,全ての技師がER業務に携わっていない,業務内容が不明確,手技が不統一という問題があった.これらの改善と,冬期ER業務の拡充,頼られる検査技師を目指し,検査部の他職種連携小部会で活動した.活動内容と結果について報告する.【活動内容】2019年度の冬期ER業務を振り返り問題を抽出した.その課題克服のために,ER業務マニュアル作成,2ヶ月間のトレーニング計画を提示・実施した.また,ERでは新型コロナウィルス感染症対策のゾーニング中で、技師は状況に合わせて柔軟に対応した.開始より,業務の不安事項や不明点のアンケートを行い,1.5ヶ月を経過したところでその返答と改善を行い当年度の冬期業務を終えた.【結果】業務は心電図79件,採血分注77件,検体採取27件,採血23件,血ガス測定16件,それに加え超音波検できる体制に変更した.②移動困難な患者の負担軽減に着目し,フットケア外来診察室内でSPP検査とABI/PWV検査の両検査が実施可能な体制を構築した.③創傷患者が多い為,検査施行前に患者情報を収集し迅速に検査ができるよう創傷部の前処置を看護師に依頼した.また,検査装置の汚染防止策として創傷部と装置が直接触れないよう対策を行った.【まとめ】取り組みにより検査時間・検査待ち時間の短縮,移動困難な患者の負担軽減などが改善出来た事でフットケア外来および他の診療科からの追加検査依頼も可能となり検査件数の増加に繋がった.フットケア外来で検査を施行することは,医師・看護師に処置や指示を直接確認でき,検査時間の短縮に繋がったと考える.今後も多職種とコミュニケーションを積極的にとり,患者を第一に考えた検査を行っていきたい.ーションの取り方が異なるなどの課題が明確になった.【考察】マニュアルの作成やトレーニングにより一定の効果が得られたと考えられた.自主的に患者介助をしたスタッフは,本人にタスクシェアリングの意識があった可能性がある.普段からER関係者と密なコミュニケーションをとることで業務が円滑になると考えられた.【まとめ】繁忙期のER業務の拡充と医療貢献への活動であった.看護師より「検査技師のER業務は継続しないのか?」との意見より,救急医療に貢献できた事を実感した.技師からは「もっとER業務を行いたい」など積極性も見られた.課題を克服しながら,北米型ERで活躍する臨床検査技師を目指し活躍の場を拡大する.代)04-2953-6611(内線 1190)当院におけるフットケア外来の問題点と改善への取り組み北米型ERで活躍できる臨床検査技師を目指して 連絡先:048-773-1111(内線2232)チーム医療チーム医療チ-5チ-6EntryNo. 90EntryNo. 34当院におけるフットケア外来の問題点と改善への取り組み北米型ERで活躍できる臨床検査技師を目指して

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