【はじめに】当院は分野毎に独立していた4部署が統合して検査部となった.部署間の連携と,臨床検査技師の能動的活動やチーム行動を促進するために小部会活動を開始した.遺伝子小部会は,変遷する遺伝子診断やコンパニオン診断について,臨床検査技師からの情報発信などの医療貢献を行う小部会である.2020年度,心毒性薬剤使用時の心機能検査を開始するために活動したので報告する.【活動内容】活動内容は心毒性薬剤の投与情報の収集,検査対象者の選定,心機能評価基準を含めたレジメン作成,提案及び情報発信の5つである.まず,心毒性薬剤の投与情報は,化学療法委員会担当者から情報を得て,心毒性薬剤の種類と投与患者数の割り出しを行った.次に,複数ある心毒性薬剤から十分なエビデンスを有する2剤に絞った.さらに,心機能評価は,経食道エコー検査で接点のあった腫瘍循環器医から学んだ.それから,対象薬剤投与患者数と検査可能枠を確認してレジメンを作成した.レジメン作成と平行して,化学療法の種類や心エコー検査の検査値の見方について,院内インフォメーションを行った.そして,【はじめに】2017年10月に日本糖尿病協会が、血糖自己測定器の保守点検を推進する案内を出し、保守点検運用マニュアルを作成したことを受け、当院にて保守点検マニュアルを作成し、外来患者に貸与する血糖自己測定器(以下、SMBG器)を対象とした保守点検の運用を開始したので、保守点検実施率増加への取り組みとともに報告する。【対象】当院にてSMBG器を貸与する外来患者2018年度(7月~)85名、2019年度99名、2020年度97名を対象とした。(年度途中の開始及び終了を含む)【準備】外来の担当看護師と相談し、運用方法を決定した。また、周知を図るためのポスター作成・掲示、保守点検項目及び合否判定に関する電子カルテ内のフォーマット作成、科内全職員の保守点検実施に向けたマニュアル作成も行った。【運用】2018年7月より、以下の手順で運用を開始した。①患者は誕生月の受診日にSMBG器を持参し、採血室へ提出 ②検査技術科にて保守点検(外観、電源動作、液晶表示およびコントロール確認)の実施及び合否判定、電子遺伝子小部会活動を通した医療貢献化学療法委員会へ提議し,2021年6月14日から心毒性薬剤投与患者の心機能検査を開始した.【結果】導入開始後の半月で6件の検査依頼があった.これは調査結果より想定された月8件と概ね一致していた.【考察】遺伝子小部会の活動が化学療法のレジメンとして採用されて心機能検査を開始出来た要因は,化学療法委員会との連携にあると考えられた.情報収集から対象患者数の割り出しを綿密に行い,そこで作成したレジメンについてやり取りを重ねたことで,実行実現性を示したと考えられる.また,心機能評価基準は,心エコー担当者が専門医と臨床との仲介役となり適正な評価方法を定めたことも,この活動の成功要因であったと考える.【まとめ】検査部の異なる部署の協力,化学療法委員会担当者と心エコー担当者,院内に情報を発信し続けた小部会メンバーの協働により,遺伝子小部会の活動の成果が得られた.今後は,血液検査と心エコー評価との関連性に着目しながら,さらなる医療貢献へとつなげたい.代)04-2953-6611(内線 1190)カルテへの入力 ③保守点検実施者が患者に保守点検内容及び結果を報告し、SMBG器を返却【結果】運用方法に特に問題はなかったが、SMBG器の自主的な持参者は少数であったため、事前に保守点検対象者の受診予定日を調べ、受診時に採血室にて声掛けを開始した。保守点検実施率は2018年度62.5%、2019年度66.2%、2020年度81.7%であった。【考察】保守点検実施率は、経時的に増加したと考えられたが、保守点検実施率の経時的な増加に直接関連する要因については認められなかった。他部署の協力もあり、SMBG器の使用者において、SMBG器の保守点検が習慣化してきたことが実施率増加につながった大きな要因と考えられた。今後も、他部署と連携し、保守点検実施率の更なる増加に努めていきたい。心毒性薬剤投与患者に対する心機能モニタリング検査の開始について当院での外来患者における血糖自己測定器保守点検実施への取り組み◎多賀谷 友香1)、藤沢 美穂1)、宮川 直輝2)、渡邉 剛士1)、近藤 彩美1)、安藤 恭代1)◎多賀谷 友香1)、藤沢 美穂1)、宮川 直輝2)、渡邉 剛士1)、近藤 彩美1)、安藤 恭代1)社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院1)、関東甲信越ブロック血液センター 埼玉製造所2)社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院1)、関東甲信越ブロック血液センター 埼玉製造所2)◎横山 若奈1)、中野 智恵1)、木口 綾乃1)、大塚 香織1)、片桐 佳紀1)、永山 絵理1)、増田 章子1)、齋藤 綾1)◎横山 若奈1)、中野 智恵1)、木口 綾乃1)、大塚 香織1)、片桐 佳紀1)、永山 絵理1)、増田 章子1)、齋藤 綾1)医療法人社団哺育会 白岡中央総合病院1)医療法人社団哺育会 白岡中央総合病院1)108連絡先:0480-93-0287EntryNo. 36EntryNo. 48チーム医療チーム医療チ-3チ-4遺伝子小部会活動を通した医療貢献心毒性薬剤投与患者に対する心機能モニタリング検査の開始について当院での外来患者における血糖自己測定器保守点検実施への取り組み
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