埼臨技会誌 Vol.68
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◎根本 彩子1)、渡邉 裕樹1)、松尾 千賀子1)、大野 優子1)、室谷 孝志1)、竹下 享典1)◎根本 彩子1)、渡邉 裕樹1)、松尾 千賀子1)、大野 優子1)、室谷 孝志1)、竹下 享典1)埼玉医科大学 総合医療センター1)埼玉医科大学 総合医療センター1)◎西村 奈那子1)、植本 美耶1)、北野 真理子1)、斎藤 悠生1)、西本 桃子1)、藤田 真衣1)、飯野 望1)◎西村 奈那子1)、植本 美耶1)、北野 真理子1)、斎藤 悠生1)、西本 桃子1)、藤田 真衣1)、飯野 望1)埼玉医科大学 保健医療学部 臨床検査学科1)埼玉医科大学 保健医療学部 臨床検査学科1)106【はじめに】新型コロナウイルス感染症は、2019年に中国湖北省武漢市にて報告され、世界各国に感染が広まった。当院では陽性患者の受け入れ病院として、2020年4月よりRT-PCR(PCR検査)、同年6月よりLAMP法を用いた新型コロナウイルス感染症検査を開始した。当院での遺伝子関連検査の体制と依頼状況について報告する。【対象・方法】2020年4月から2021年6月まで当検査室に依頼のあった検体延べ3103件(PCR:2157件,LAMP法:946件)、検査材料は鼻咽頭拭い液、喀出痰、唾液を対象とした。2020年4月からLight Cycler480Ⅱ(Roche)にて測定を開始、加えてcobas Z480(Roche)、全自動核酸増幅検査装置BD MAX(日本BD)、Gene Xpert(ベックマンコールター)を導入した。現在PCR検査はcobas Z480、BD MAX、Gene Xpertの3機種に加え、LAMP法はLoopamp EXIA(栄研化学)にて対応している。【結果】依頼総数3103件のうちPCR検査は2157件、LAMP法は946件であった。PCR検査は2157件のうち延べ121件が陽性(5.6%)となり、陽性者の年齢分は40代から70代に多くみられた。全検体の男女比は男性が25.4%、女【はじめに】コーヒー,清涼飲料水,医薬品等にもカフェインが含まれている.カフェインは,覚醒,疲労回復,鎮痛作用など有益効果を発揮する一方で,過剰摂取による有害事象も問題となっている.15番染色体長腕に座位するCYP1A2遺伝子はカフェインの代謝に関連し,その遺伝子型によって代謝速度が異なることが報告されている.カフェインの代謝が遅い場合,頭が冴えるどころか疲れやすくなり,睡眠や学習効率にも影響を与えると考えられることから,CYP1A2遺伝子のVariantであるCYP1A2*1Cについて,我々の血液を用いたRFLP-PCR法により解析し,遺伝子型の判定を行ったので報告する.【対象および方法】学生6名の末梢血液から得られたDNAを対象とした.CYP1A2*1C(rs2069514)は5´non-cording領域における-3860G>Aでみられることから, その近傍の塩基配列をターゲットにし,プライマー設計後,PCR法を実施した.制限酵素による切断はDde1により行い,アガロースゲル電気泳動後,切断パターンを確認した.【結果】RFLP-PCR法では,5名において596 bpのバンド性が74.6%と女性が半数以上を占めており、依頼科は産科(49.6%)、次いで総合診療内科(25.3%)が多かった。LAMP法は946件のうち延べ26件が陽性(2.7%)となり、年齢分布は50代から80代で多くみられた。依頼科は総合診療内科が547件(48.3%)、次いで血液内科が136件(14.4%)であった。【考察】結果より、PCR検査、LAMP法の依頼科は感染症内科・総合診療内科が大半を占める結果となった。PCR検査においては、産科からの依頼が多く、入院時にスクリーニングとしてPCR検査を積極的に行っていることが考えられた。また、LAMP法では血液内科からの依頼が多く、唾液を用いた入院時スクリーニングを積極的に行っているためであると考えられた。【結語】当院は陽性患者の受け入れ病院として、現在まで様々な対応を行ってきた。当検査部は各診療科の要望を積極的に取り入れ、検査体制を構築した。このような経験を通し、遺伝子検査の必要性や臨床との連携の重要性を再確認することができた。今後起こりうる新規感染症に生かしていきたい。が制限酵素Dde1により切断されなかったためG/Gホモ接合型,1名は596 bpのバンドの他に464 bpのバンドが検出されたため,G/Aヘテロ型と推定された.【考察】5名がG/Gホモ接合型と推定され,その頻度は約83.3%,1名は制限酵素Dde1による切断で断片鎖132 bpのバンドが出現しなかったが,恐らく,G/Aヘテロ型と推定され,その頻度は16.7%となった.今回,解析対象が6名と少ないため安易に比較はできないが,概ね,その頻度はYoshiharaらによる報告と近似した.G/G型はカフェインの代謝がA/A型に比較し4倍速い傾向にあり,G/A型はその中間にあたると考えられている.そのため,被験者6名からの聞き取り調査を行ったが,カフェイン摂取による睡眠や動悸などの健康被害は認められず, CYP1A2遺伝子型による違いも認めなかった.今回検討したCYP1A2*1C以外に CYP1A2*1F、CYP2A6*1AF等もカフェイン代謝に関連すると報告されているため,今後はそれらについても解析を行っていきたいと考えている.連絡先:042(984)4849(直通)当院における新型コロナウイルス検査の現状と取り組みカフェイン代謝に関与するCYP1A2遺伝子についての解析連絡先049-228-3602遺-1学遺-2遺伝子EntryNo. 31遺伝子EntryNo. 99当院における新型コロナウイルス検査の現状と取り組みカフェイン代謝に関与するCYP1A2 遺伝子についての解析

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