◎高橋 栞1)、矢澤 淳子1)、島村 明花1)、堀口 祐希1)、飯草 正実1)、中島 あつ子1)、春木 宏介1)◎高橋 栞1)、矢澤 淳子1)、島村 明花1)、堀口 祐希1)、飯草 正実1)、中島 あつ子1)、春木 宏介1)獨協医科大学埼玉医療センター1)獨協医科大学埼玉医療センター1)◎有村 春菜1)、山本 美紅1)、大田原 響1)、川西 礼1)、島崎 結奈1)、村井 美代1)、岸井 こずゑ1)◎有村 春菜1)、山本 美紅1)、大田原 響1)、川西 礼1)、島崎 結奈1)、村井 美代1)、岸井 こずゑ1)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)102【はじめに】2019年12月,中国の武漢にて世界初のSARS-CoV-2の感染者が発見された.日本でも感染者が報告され,各国への広がりを見せた.翌年3月にWHOによりパンデミックであると公表され,各医療機関がその対応に追われる.そして世界が大きく変化した.この間の当院における検査対応および状況について報告する.【運用概要】2020年5月より,院内検査を開始した.検査対象は,発熱外来,待機手術や緊急手術, COVID-19疑い患者であり,医師や看護師が専用場所で検体を採取し,担当者が検査室に搬送している.現在,検査はLoopampEXIA(LAMP法,栄研化学)4台,GENECUBE(PCR法,東洋紡)1台,24時間対応としてSmartGene(PCR法,ミズホメディー)4台を用い,実施している.また,イムノクロマト法としてImunoAce 2(タウンズ)を使用している.【検査の現状】院内で検査を導入して以来増加傾向にある.現在,月に【はじめに】基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌は薬剤耐性菌の1つであり,近年急激な増加が問題となっている.本菌は,院内感染に加えて,市中感染の起因菌にもなる.さらに市中の健常者を通して医療環境に持ち込まれる危険性がある.本菌の伝播を防ぐため,健常者を含む市中環境から動向を監視することが重要である.本研究では,異なる季節に採取した環境由来のESBL産生Escherichia coliを解析し,季節変動の有無を検討した.【対象】埼玉県の下水処理場1ヵ所にて2020年12月から2021年6月まで2ヵ月毎に下水を採取した.その下水から分離したESBL産生E.coliを対象とした.【方法】TBX agarによって下水からE.coliを135株分離した.その中からCTX4μg/mLを添加したTBX agarによってCTX耐性株を分離した.multiplexPCRによりESBL遺伝子型グループを決定し,微量液体希釈法による薬剤感受性試験を行った.1000件以上になり,LAMP法約570件,PCR法約690件,イムノクロマト法約90件となっている.【今後の課題と動向】当院における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査対応SARS-CoV- 発熱患者や緊急手術になった患者に対し検査を実施するため,臨床からの至急要望が増加している.それに伴い,運用の見直しを検討中である.また,LightCycler(PCR法,ロシュ)を導入し,多検体の処理を可能にするとともに,変異株についての鑑別実施についても検討している.【まとめ】当院は,COVID-19患者受け入れとともに,検査を開始することとなった.当初は1項目であった検査方法も,現在では多項目となり,臨床に混乱を与えてしまっている.現在でも検査に関する問い合わせが多数あり,分かりやすくすることが課題となっている. また,今後も検査需要が増加すると予想され,全職種の医療スタッフが協力し,当感染拡大防止に努めることが重要である.その中でも,検査技師として積極的な情報提供,検査の実施等で病院に貢献していきたいと思う.連絡先:048‐965-1111(内線3217)【結果】ESBL産生E.coliの分離率は,12月2月は0.74%(1/135株), 4月6月は4.44%(6/135株)であった.遺伝子型は,12月の1株は CTX-M-9G+TEM型,2月の1株はCTX-M-9Gを保有していた.4月は4株がCTX-M-9G(2株は+TEM型),1株がCTX-M-1G+TEM型,1株がTEM型を保有,6月は4株がCTX-M-1G(1株は+TEM型),1株がCTX-M-9G,1株がCTX-M-8Gを保有していた.薬剤感受性は,全株がImipenem感性を示した.【考察】気温が低い12月2月に比べ,4月6月は分離率の増加が見られた.遺伝子型は12月から4月はCTX-M-9Gが優位であったが,6月はCTX-M-1Gが優位であった.このことから,環境由来ESBL産生E.coliの分離率と遺伝子型が季節により変動する可能性を示すことができた.市中環境における薬剤耐性菌の季節変動の傾向を把握することが,伝播の要因究明や対策に繋がると考える.そのためには今後は検体数を増やし,継続的に監視していくことが必要である.微-14学微-15環境由来ESBL産生 Escherichia coli の分離率と環境由来ESBL産生Escherichia coliの分離率と遺伝子型に関する季節変動の検討遺伝子型に関する季節変動の検討微生物EntryNo. 71微生物EntryNo. 97当院における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査対応
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