微生物細 胞均274.1個と5.2倍となり有意差を認めた.(p<0.01)【考察】YM固定液を加えた血尿検体において,酢酸添加法で標本上に出現する上皮細胞数を増やすことができたのは,赤血球の細胞膜が酢酸によって損傷を受け,ヘモグロビンが溶出したことによるものと考えられる.赤血球の透過性が増し,上皮細胞が観察しやすくなったと考えられ,標本上の背景には赤血球の細胞膜が観察された.また,保存液を添加した検体の沈渣では白血球,腫瘍細胞等の有核細胞は下部に存在する1)との研究報告がされていることから,検体全量を溶血させ標本作製することで下部の細胞も収集でき増加したと考える. 【結語】血球が混入した場合,酢酸添加法にて検体処理を行うことで上皮細胞数を増やす効果があった.しかし今後,異型細胞や染色性については更なる検討を行う必要がある.■参考文献1)立澤 美咲,他「保存液を添加した細胞診検体の有効なサンプルについて」,医学検査,67;178-182. 連絡先048-665-6154(病理検査室直通)スマートジーンMycoを用いたMycoplasma pneumoniaeに対する迅速遺伝子検査の有用性日当直時における血尿の細胞診処理方法の検討Gene導入前と比較した.外来の割合は48.3%から61.7%へ増加し,平均在院日数は1.5日短縮し5.6日であり,受診後の平均有熱期間は0.9日短縮し2.3日であった.【まとめ】第一選択薬であるMLsでの初期治療では,遺伝子変異の有無で有熱期間の差がみられ,遺伝子変異の陽性症例では半数以上で抗菌薬が変更された.特に小児では治療薬が限局されることから,MLs耐性の有無を含めた迅速遺伝子検査は適正な抗菌薬による早期の標的治療を開始することができ,臨床的有用性があると考えられた.たのは遺伝子変異が陽性の8症例中6例(75.0%)であった.その内5例(83.3%)で抗菌薬が変更され,解熱を認めた.遺伝子変異が陰性で,MLs投与後の経過が追跡可能であった21症例は全て投与後48時間以内の解熱を認めた.陽性判定までの所要時間は最短約30分(30サイクル)であり,33件(94.3%)が約40分(42サイクル)以内であった.外部委託検査(PA法及びLAMP法)で診断していたSmart 連絡先:048-253-1551(内線1929)97【はじめに】Mycoplasma pneumoniae感染症では治療薬が限られるため,高感度で迅速な診断が重要である.全自動遺伝子解析装置Smart Gene(㈱ミズホメディー)は,蛍光標識プローブ(Qプローブ)を用い, M. pneumoniae遺伝子と同時にマクロライド耐性に関与する 23S rRNA遺伝子変異の検出が可能である. 今回我々は, M. pneumoniaeに対する迅速遺伝子検査の有用性を検討した.【対象および方法】2019年3月から2020年6月にマイコプラズマ肺炎が疑われ,Smart Gene及び検査試薬スマートジーンMycoを用いて測定した検体193件を対象とした.なお,遺伝子変異の結果報告は2019年11月から開始した.【結果】47件( 24.4% )でM. pneumoniaeが陽性( 2~49歳 )と判定され,内11件(23.4%)で,遺伝子変異が陽性であった. 全例で発熱と咳嗽,胸部X線写真で陰影を認め,15歳以下の小児が41件で全体の87.2%を占めた.陽性症例の初期投与薬はマクロライド系薬(MLs)36件(76.6%),キノロン系薬8件(17.0%),ミノサイクリン3件(6.4%)であった.MLsによる初期治療が行われた症例で,投与後48時間以上発熱がみられ【はじめに】当院では夜間や日祝日の細胞診検体処理を臨床検査科の当直者が行っている.その際,保存液としてYM式液状検体用固定液(以下YM固定液)を用いている.当直者は普段,検体検査や生理検査を担当しているので,細胞診の検体処理に不慣れな技師が多い.そのため,特に血尿検体で血球の混入により上皮細胞が少ない傾向がみられ,細胞判定に苦慮することがある.今回,YM固定液を加えた血尿検体に対して,赤血球の影響を抑え上皮細胞数を増やすことができるか検討した.【対象と方法】上皮細胞がみられる尿検体をランダムに20件選び,肉眼的血尿の模擬検体を作製した.作製方法は尿検体10mLに血液1mL添加させ遠心後,0.2mLの血液を含んだバフィコートにYM固定液(武藤化学社)を5mL添加し20時間固定した.YM固定液添加後の検体を従来法と酢酸添加法にて標本作製し,パパニコロウ染色を行い上皮細胞数を比較した.従来法:再遠心しすり合わせ法にて標本作製.酢酸添加法:3%酢酸を5mL添加しオートスメア法(サクラファインテック社)にて標本作製.【結果】上皮細胞数が従来法は平均52.5個,酢酸添加法は平◎吉田 雅基1)、泉田 桃1)、西窪 杏奈1)、荻野 毅史1)、関谷 晃一1)◎吉田 雅基1)、泉田 桃1)、西窪 杏奈1)、荻野 毅史1)、関谷 晃一1)埼玉県 済生会川口総合病院1)埼玉県 済生会川口総合病院1)◎穴原 賢治1)、桝川 睦子1)、治田 玲奈1)、藤原 桂子1)、高須賀 聖子1)、鈴木 朋子1)◎穴原 賢治1)、桝川 睦子1)、治田 玲奈1)、藤原 桂子1)、高須賀 聖子1)、鈴木 朋子1)上尾中央医科グループ 彩の国東大宮メディカルセンター1)上尾中央医科グループ 彩の国東大宮メディカルセンター1)微生物EntryNo. 67細胞EntryNo. 59Mycoplasma pneumoniaeに対する迅速遺伝子検査の有用性日当直時における血尿の細胞診処理方法の検討スマートジーンMycoを用いた微-11(14:00~14:30)細-1(13:30~14:00)
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