埼臨技会誌 Vol67
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連絡先048-997-7721 内線(200)産生菌は平均8.3件で共にほぼ横這いであったが,ESBL産生菌は2010年の15件から2019年の112件と7.5倍に増加した.2019年だけで見るとMRSA率は36.6%,MRSE率は79.4%,ESBL率は22.1%でE. coliに限ると31.7%であった.汚染菌の可能性が高いCNSや陽性桿菌等の検出率は,最大で11.1%,平均では7.2%であった. 菌検出状況を他の5病院と比較したところ,当研究所の陽性率は他病院と比べて高い傾向を示していたが汚染菌の検出率が特別高いことは無く,腸内細菌の検出率が高いほかは平均的な検出率であった.【考察】陽性率が高い理由は,対象患者を絞りすぎていることが考えられる.必要な患者を見落とす可能性もあり,高い陽性率が継続している病院には原因究明のため情報提供していきたい.またブドウ球菌や腸内細菌では耐性菌の割合が高く,これらの菌を検出した際には菌名だけではなく耐性の有無を迅速に報告する必要があると考える.【結果】MRSA-LAでは札幌医科大学附属病院の方法におけるMRSAの検出率は100%,上清集菌法でも検出可能であったが凝集の弱いものも認められた.MRSA選択培地を用いた方法ではMRSA,MRSE,MRCNSはすべて発育した.発育した92株中,不一致11株あり,MSSEが3株発育したが2株はPBP2’陽性であった.MSCNSも8株発育した.腸内細菌はシカベータテストではいずれの集菌法も感度が低く,試料が溶血していた場合には判定が困難であった.ESBL選択培地を用いた方法ではESBLはすべて発育した.発育した21株中,ESBL非産生菌は8株あった. 【考察】検討した方法では,シカベータテストは感度が低く,MRSA-LAは迅速性には優れるが導入にはランニングコストもネックになる.選択培地を用いた方法では,迅速性はやや劣るが操作が簡便でコストも安く,耐性菌を確実に検出することができる.微小遅発育コロニーまで対象とすると特異度は低下してしまうが,培地の特性を理解し,対象菌を絞って報告することで正確な報告を行うことが可能であると考える.  連絡先:048-997-7721(内線200)【はじめに】血液培養は緊急性の高い検査であり,ボトルの2セット採取は検出感度が高く,コンタミネーションの判断にも有用とされている.今回,当施設での血液培養の依頼状況と検出菌等を調査したので報告する.【方法】集計期間は2010年から2019年までの10年間に当施設に提出された血液培養の依頼のうち,4月から6月までの3か月間を対象とし, 依頼セット数と2セット採取率,依頼患者数,陽性率,検出菌,耐性菌について調査した.【結果】2010年と2019年を比較すると依頼数は1791セットから6450セットと3.6倍,2セット採取率も25.9%から90.7%に上昇し,依頼患者数も1098人から2716人と2.5倍になった.陽性率は2010年では27.8%,2019年で17.5%,平均で20.4%であった. 検出菌の比率はブドウ球菌が41.0%,次いで腸内細菌30.9%,連鎖球菌6.3%であった. ブドウ球菌の内訳はS. epidermidisが40.5%, S. aureusが23.0%,その他CNSが36.2%であった.腸内細菌ではEscherichia属が59.1%, Klebsiella属が24.4%, Enterobacter属が6.2%であった.耐性菌の検出状況では, MRSAは平均49.3件,AmpC過剰【はじめに】2019年の当施設における血液培養検出菌はS. aureusに対するMRSAの割合が36.6%,S. epidermidisに対するMRSEが79.4%,腸内細菌に対するESBLの割合は22.1%であり,これらの菌種において同定菌名の報告と同時に耐性の有無を報告することは意義が大きい.今回,血液培養におけるブドウ球菌と腸内細菌の耐性菌迅速報告の検討を行ったので報告する.【方法】ブドウ球菌ではMRSA-LA(デンカ生研)を用いた第30回日本臨床微生物学会にて発表された札幌医科大学附属病院の検証を行い,培養液沈渣に生理食塩水2mLを加え1000rpm/5分遠心後の上清検体を用いた上清集菌方法と比較した.またMRSA選択培地を用いた方法として,グラム陽性球菌が認められた培養液の沈渣を培地に塗抹し,翌日コロニーを判定した.腸内細菌では培養液の沈渣及び上清集菌法検体からシカベータテスト(関東化学)を用い耐性菌の検出を行った.またESBL選択培地を用いた方法として,グラム陰性桿菌が認められた培養液の沈渣を培地に塗抹し,翌日コロニーを判定した.94血液培養2セット採取率と検出菌の10年間の推移血液培養検出菌の耐性迅速報告の検討◎葛西 晃司1)、江端 晃子1)、穴原 美子1)、佐藤 聡太1)、金子 雄宇太1)、柏﨑 里呼1)、芦 直樹1)、飯田 眞佐栄1)◎葛西 晃司1)、江端 晃子1)、穴原 美子1)、佐藤 聡太1)、金子 雄宇太1)、柏﨑 里呼1)、芦 直樹1)、飯田 眞佐栄1)株式会社アムル 上尾中央臨床検査研究所1)株式会社アムル 上尾中央臨床検査研究所1)◎柏崎 里呼1)、江端 晃子1)、穴原 美子1)、佐藤 聡太1)、金子 雄宇太1)、葛西 晃司1)、芦 直樹1)、飯田 眞佐栄1)◎柏崎 里呼1)、江端 晃子1)、穴原 美子1)、佐藤 聡太1)、金子 雄宇太1)、葛西 晃司1)、芦 直樹1)、飯田 眞佐栄1)株式会社アムル 上尾中央臨床検査研究所1)株式会社アムル 上尾中央臨床検査研究所1)血液培養2セット採取率と検出菌の10年間の推移血液培養検出菌の耐性迅速報告の検討微生物EntryNo. 42微生物EntryNo. 44微-5(14:00~14:30)微-6(14:00~14:30)

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