(mL/min/1.73m²)(mg/dL)S-CrU-Cr(mg/dL)1コース22.02コース23.53コース31.6(-)【検討方法および結果】①患者蓄尿(1コース施行前)を生理食塩水で希釈測定(10倍,20倍,50倍)したところ,各U-Cr値(mg/dL)は換算値で22.1, 21.9, 22.1であった. ②健常者の随時尿と健常者の随時尿に患者蓄尿(1コース施行前)を混ぜた尿を37℃で3時間保存したところ,各U-Cr値(mg/dL)は保存前後で33.5→33.2, 29.7→17.2と患者蓄尿を混ぜた尿でU-Crが低下した.③各コースの患者蓄尿の好気培養と嫌U-Cr(mg/dL) 経時変化1コース2コース3コー【はじめに】検査値が異常を示す要因として,疾患以外に薬剤による影響もそのひとつであり,その情報を添えて臨床に結果報告する必要がある.今回,尿酸値が異常値を呈した症例に対して研修会で得た知識を生かし, 薬剤が影響していることを特定,臨床へ情報提供できたので報告する.【症例】70歳代男性.MDS,急性骨髄性白血病で入院治療中.2019年12月の検査結果:Na135mEq/l,K4.4mEq/l,Cl102mEq/l,BUN26.7mg/dl,CRE3.23mg/dl,Alb3.3mg/dl,UA17.5mg/dl.翌日の検査結果:Na138mEq/l,K4.4mEq/l,Cl102mEq/l,BUN31.7mg/dl,CRE3.31mg/dl,Alb3.4mg/dl,UA<0.2mg/dl.【経過】尿酸値の不自然な低下が見られたため,阻害物質などの可能性を考え,原因追及のために希釈再検や等量混合試験を行った.しかし,いずれも尿酸値低下の原因となる結果ではなかった.その後,研修会にて同様の症例が報告されていた情報をもと【はじめに】尿中クレアチニン(U-Cr)は,クレアチニンクリアランス(Ccr)の算出や尿中化学成分の濃度補正などに用いられる.今回,Ccr偽低値の原因として,尿中細菌によるU-Cr分解が疑われた症例を経験したので報告する.【症例】64歳,男性,膀胱癌ステージⅣ. GC(GEM+CDDP)療法前の腎機能評価を目的にCcrの検体が提出された.患者は自排尿困難のため,尿道カテーテル留置の状態であった.0.840.890.93尿中細菌による尿中クレアチニン分解が疑われたクレアチニンクリアランス偽低値の一例Cys-C(mg/L)1.05N.T.1.11CcreGFRcreateGFRcys71.266.863.728.869.269.168.6N.T.64.412h111.27.214.1103.872.595.1103.165.689.816h110.55.08.0103.764.791.9103.053.084.020h109.82.94.1103.055.288.1102.938.378.1各コース結果外観暗赤色(+)淡黄色(+)赤色蓄尿性状悪臭ス無添加尿無添加尿無添加尿室温室温室温88研修会で得た知識から検査値の異常要因を特定できた1例に薬剤の影響を考え患者情報を確認したところ,がん化学療法用尿酸分解酵素製剤である『ラスブリカーゼ(遺伝子組み換え)ラステリック』を処方されていた.ラスブリカーゼが検査値に与える影響は室温放置することによって尿酸を分解し見かけ上の尿酸値が低くなる.そのため正確な測定を行うには血液検体をあらかじめ冷却した採血管に入れ速やかに低温状態にし,採血4時間以内に測定することが必要であった.主治医,看護師へ情報提供したことで,その後の検体採取と結果報告が適切にできた.また,今回の症例を経験し科内で周知したことでその後の同様症例に対し,いち早く対応することができた. 【考察】今回,異常値の原因を察知し,臨床と連携することで治療効果の判定に寄与できた.日々医療が進歩していくなかで文献や研修会により常に情報を更新する必要があり,今後さらに臨床検査技師の問題解決能力水準を高め,臨床へのアドバイスサービスに努めていきたい.気培養を行い,分離された各細菌を健常者の早朝尿を用いて,およそ McFarland 4.0 に調整後, 37℃と室温(23℃~25℃)に保存し, 4時間ごとにU-Crを測定した. その結果, 1コース施行前蓄尿から分離されたpigmented Prevotella sp.と2および3コース施行前蓄尿から分離されたAerococcus urinaeを添加した尿でU-Crが温度依存性に経時的な低下を示した.24h109.50.71.0103.443.882.2102.620.971.2【考察および結語】患者蓄尿中の細菌によりU-Crが分解され,Ccrの算出値が偽低値になったと推測された.細菌尿におけるU-Cr値は, 潜在的な負誤差に注意する必要があると考えられた. 連絡先:048-873-4111(2824)PigmentedPrevotella sp.A. urinaeA. urinae連絡先 048(773)1111 内線:24150h4h110.748.871.6104.891.8100.4101.888.998.28h111.016.831.3104.582.096.7102.575.793.937℃111.037℃105.137℃102.5◎篠崎 拓己1)、毛塚 絢子1)、木村 真依子1)、安田 智美1)、多川 裕介1)、笹原 美里1)、松本 さゆり1)、菊池 裕子1)◎篠崎 拓己1)、毛塚 絢子1)、木村 真依子1)、安田 智美1)、多川 裕介1)、笹原 美里1)、松本 さゆり1)、菊池 裕子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)◎大地 康文1)、田中 智也1)、我妻 朋代1)、大嶋 利奈1)、小林 巧1)、齋藤 美由紀1)、長澤 英一郎1)、手塚 康晴1)◎大地 康文1)、田中 智也1)、我妻 朋代1)、大嶋 利奈1)、小林 巧1)、齋藤 美由紀1)、長澤 英一郎1)、手塚 康晴1)さいたま市立病院1)さいたま市立病院1)研修会で得た知識から検査値の異常要因を特定できた1例尿中細菌による尿中クレアチニン分解が疑われたクレアチニンクリアランス偽低値の一例EntryNo. 70EntryNo. 13臨床化学臨床化学化-4(14:30~15:00)化-5(14:30~15:00)
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