埼臨技会誌 Vol67
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血 液輸 血当院ではタイプアンドスクリーン(以下:T&S)を導入しており,手術での未使用血削減に努めている.しかし,T&Sの依頼単位数が多いオーダーや,同型の83当院におけるT&Sの現状とSBOEを用いた解決の試みコンピュータークロスマッチ導入後の変化についてT&S数が重なった場合には,通常の院内在庫量を超過し,過剰な在庫を抱え,期限切れによって廃棄となってしまう可能性がある.そこで今回,T&Sの現状を把握し,術式別平均出血量および手術血液準備量計算法(以下:SBOE)を使用して,T&Sの依頼単位数の削減を試みた.【方法】①2018年10月~2019年9月に依頼のあったT&Sを抽出し,統計量の計算を行った.②2018年10月~2019年9月に行った手術の術式別平均出血量を算出し,SBOEを求めた.③院内輸血委員会に①及び②を報告し,術式別に依頼単位数を削減できるか協力依頼した.【結果】1年間のT&S依頼件数および単位数は584件(8科),1940単位であった.依頼件数の多い科は,外科288件,722単位,泌尿器科93件,446単位,産婦人科70件,306単位であった.200単位(10.3%)であった.依頼科別にみると,外科32件(11.1%),88単位(12.2%),泌尿器科4件(4.3%),12単位(2.7%),産婦人科15件(21.4%),48単位(15.7%)であった.T&S依頼の多い術式の術式別平均出血量はそれぞれ,「後輸血実施件数(実施率)および単位数は71件(12.2%),腹膜腔鏡下前立腺全摘術」59mL,「開腹腎部分切除術」310mL,「ロボット補助下前立腺全摘出術(経腹膜)」134mL,「腹腔鏡下幽門側胃切除術」125mL,「腹腔鏡下S状結腸切除術(DST)」46mL,「腹腔鏡下胆摘術」31mLであり,SBOEはすべてマイナスの値となった.【結語】今回当院のT&Sの現状を調査した結果,依頼科や手術の内容によりばらつきはあるものの,全体的に輸血実施率は低く,ほとんど使用しない依頼科も存在した.明確なエビデンスを示し過剰な依頼を削減することで血液製剤の有効利用が可能である.連絡先:048-253-8506【目的】当院では2020年2月に輸血システムの更新を機に業務の省力化を目的としてコンピュータークロスマッチ(以下C.C)を導入した。導入後4ヶ月経過した現時点での結果について報告する。【業務の概要】輸血業務は大きく分けて輸血検査と製剤管理がある。輸血検査は全てオーソ・ビジョンで行っている。C.C導入前の手術中に使用する製剤は生食迅速法で適合を確認して出庫、その後クロスマッチを実施していた。検査時間は間接抗グロブリン法終了までに20分を必要としていた。【導入後の結果】1.手術室からの依頼に対して導入前は20分かかっていた処理が導入後は1分半に短縮できた2.製剤の血液型確認に伴う業務時間は1日平均6本、12分で納品時に行った3.製剤の血液型確認にかかる費用が1ヶ月あたり45046円、C.C導入で削減できた費用は21970円であり23076円支出が増加した。【メリット】1.手術室への製剤出庫業務が迅速に効率的に行えるようになった2.日当直業務の簡素化により負担軽減が可能となった3.長時間手術症例の当直者への引継ぎが容易になった4.短縮できた時間を他の業務に振り当てることができた。【考察】 C.C導入後のメリットは手術室からの製剤出庫依頼に対する迅速な対応が可能となったことである。これは当直技師の業務にも影響し、長時間手術症例の対応を引き継ぐ輸血担当技師の精神的な負担軽減にもなる。C.Cを導入した背景は①検査室全体の業務を円滑化するため、検査室間の相互フォロー体制を強化すること②病院の方針で細胞治療への関与の拡充が指示されたことである。今回削減した時間(年間推定63時間)で他の検査業務(生化学・免疫・血液・生理)をより円滑にフォローできた。また、医療安全やTQM、細胞治療業務への参画など、様々なニーズに対応可能な体制ができた。デメリットはC.Cの必須条件の「製剤の血液型確認」の実施に伴うコスト上昇である。しかしこれはC.Cの安全性確保の最重要ポイントであり、ヒューマンエラー発生を無くすために必要なコストと考えている。     ◎永井 謙一1)、宮澤 翔子1)、尾股 恵美1)、小原 明1)、山口 純也1)◎永井 謙一1)、宮澤 翔子1)、尾股 恵美1)、小原 明1)、山口 純也1)埼玉県 済生会川口総合病院1)埼玉県 済生会川口総合病院1)◎小島 典江1)、髙田 梨恵1)、藤井 絢子1)、伊丹 直人1)、岩田 敏弘1)◎小島 典江1)、髙田 梨恵1)、藤井 絢子1)、伊丹 直人1)、岩田 敏弘1)埼玉県立がんセンター1)埼玉県立がんセンター1)当院におけるT&Sの現状とSBOEを用いた解決の試みコンピュータークロスマッチ導入後の変化について輸血EntryNo. 1輸血EntryNo. 56輸-1(13:00~13:30)輸-2(13:00~13:30)

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