埼臨技会誌 Vol67
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(ITP)11件(18%),血球貪食症候群(HPS)11件(18%),骨髄異形成症候群(MDS)8件(16%)であった.2018年度以降では,MDS14件(33%),特発性血球減少症5件(12%),ITP4件(9%)、意義不明の単クローン性γグロブリン血症4件(9%)であった.年代別では,2018年度以前では1~9歳が16件(26%),70代13件(21%)であった.2018年度以降は80代が20件(47%),70代10件(23%)であった.依頼科別では,2018年度以前は小児科29件(48%),内科13件(21%)だったが,2018年度以降は内科37件(97%),小児科1件(3%)であった.【考察】骨髄検査数が著増した要因の一つとして,他の診療科から血液内科への診察依頼が増えたためと考えられる.2018年度以前にはITPやHPSが多かったが,2018年度以降はMDSが増加した.これは,高齢化の影響が考えられる.今後も骨髄検査は増えることが想定される.臨床医や検査医と情報共有する機会を増やすことや,外部勉強会への積極的な参加を勧めるなどして,技師のさらなる知識や技術の向上につなげていきたい.     連絡先048-965-2221内線2261レボヘムAPTT SLAと現行試薬との比較検討当院における骨髄検査の現状と課題血漿2濃度を測定した.④相関:患者検体154件を,現行・検討試薬で同時測定した.【結果】①同時再現性:CGⅠではCV0.57%,CGⅡではCV0.75%と良好であった.②試薬安定性:CGⅠではCV0.71%,CGⅡではCV2.01%であり,10日目まで安定であった.③ロット間差:CGⅠでは現行試薬CV2.53%,検討試薬CV0.32%,CGⅡでは現行試薬CV5.45%,検討試薬CV3.64%であり,検討試薬のほうがロット間差は小さかった.④相関:回帰式y=1.07x-2.5808,相関係数r=0.8645の結果が得られ,現行試薬との相関は良好であった.【考察・結語】レボヘムAPTT SLAは,同時再現性,試薬安定性,現行試薬との相関で良好な結果が得られ,日常検査に十分使用できる性能を持った試薬であると考えられた.また,現行試薬に比べてロット間差が小さいため,精度管理の向上が期待でき,臨床に安定したデータを報告できると考えられる.80【背景・目的】凝固検査における活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は,内因系凝固因子活性のスクリーニング検査や,ヘパリンによる抗凝固療法のモニタリング,ループスアンチコアグラント(LA)のスクリーニングなどの検査に用いられているが,試薬による特性の違いやロット間差の大きいことが知られている.今回我々は,レボヘムAPTT SLAの基礎的検討及び現行試薬(データファイAPTT)との比較検討を行ったので報告する.【試薬・機器】検討試薬:レボヘムAPTT SLA(シスメックス社) 現行試薬:データファイAPTT(シスメックス社) 測定機器:CS2100i(シスメックス社)【測定試料】管理血漿コアグトロールⅠX,ⅡX(以下CGⅠ,CGⅡ)(シスメックス社),当院検査室にAPTT検査依頼のあった患者検体(3.2%クエン酸ナトリウム加血漿)【方法】①同時再現性:コントロール血漿2濃度を,各連続10回測定した.②試薬安定性:試薬を開栓し機器搭載後,1日1回,10日間コントロール血漿2濃度を測定した.③ロット間差:現行・検討試薬各3ロットについて,コントロール【はじめに】当院は,病床許可数481床の二次救急指定病院である.血液疾患の鑑別において不可欠である骨髄検査は,以前より臨床検査技師がベットサイドへ赴き標本作成し,検査室で染色,有核細胞数算定,細胞分画などの骨髄検査を実施している.その後,判読は非常勤の臨床検査専門医が行っている.なお,染色体,細胞表面マーカーは外部委託している.2018年4月から週1回午前診療のみではあるが,非常勤の血液内科専門医による外来診療が始まり,2年が経過した.今回,過去15年間の骨髄検査を振り返り,これまでの実績と今後の課題について報告する.【対象】2005年4月から2020年3月までに骨髄検査を依頼された104件を集計した.なお,同一患者6名も含む.【方法】血液内科診療開始前の2018年度以前と,血液内科診療開始後の2018年度以降の検査件数と診断名,依頼科について比較・検討を行った.【結果】血液内科診療開始前の2005年度から2017年度の検査件数は61件で,年間平均4.7件であった.血液内科診療開始後の2018年度は12件,2019年度は26件と増加した.診断名は2018年度以前では,特発性血小板減少性紫斑病連絡先:048-832-4951(内線 1312)◎小林 友規1)、安田 麻理1)、叶 千明1)、秋元 香里1)、高橋 愛美1)、小山 博史1)◎小林 友規1)、安田 麻理1)、叶 千明1)、秋元 香里1)、高橋 愛美1)、小山 博史1)独立行政法人 地域医療機能推進機構 埼玉メディカルセンター1)独立行政法人 地域医療機能推進機構 埼玉メディカルセンター1)◎神成 千晴1)、大塚 幸成1)、大久保 宏子1)、前田 友子1)、渋谷 賢一1)◎神成 千晴1)、大塚 幸成1)、大久保 宏子1)、前田 友子1)、渋谷 賢一1)越谷市立病院1)越谷市立病院1)レボヘムAPTT SLAと現行試薬との比較検討当院における骨髄検査の現状と課題血液EntryNo. 43血液EntryNo. 71血-5(11:30~12:00)血-6(11:30~12:00)

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