56日当直時の検査は日頃専門的に行っていない業務も多く、施設毎に運用が異なるが業務は多岐にわたる。血液検査の自動分析装置は比較的に簡単な操作で測定できるが、スクリーニング検査として依頼件数は多い。日当直時のトラブルの発生頻度は高く、不注意な行為は記憶が曖昧なことが多い。経験不足や知識不足がトラブルの要因となっている。引き継ぎ、トレーニング、マニュアルの置き場所、不安要素の明瞭化、体調を整える検体の凝固有無・採血量の確認、遠心分離器の設定(2000xgで10分間以上、18~25℃)再検基準、分析機器の再現性、検体の状態、項目間の整合性、再検査すれば適切な値とは限らない溶血、乳び、高ビリルビン、小児の微量検体検体の凝固は基本的に採り直し、凝固系検査に検体凝固参考値は無い血液疾患、有核赤血球の出現、巨大血小板敗血症、血液疾患、各血球減少の原因は、①産生の低下や不良(無効造血)②消費や破壊の亢進 ③分布異常強溶血検体、破砕赤血球、高度熱傷患者検体検体の凝固、EDTA依存性偽性血小板減少症、出血傾向赤血球凝集(寒冷凝集素・自己免疫性貧血)、電解質の異常(低Na血漿・低K血漿)、高脂血症、高ビリルビン血症、補正方法の確認検体の凝固、希釈ミス、機器の不良、手術後、輸血後、検体の採り間違い、項目間の整合性、MCVの変動採血量が多くても少なくても検体の凝固を疑う、ラベルが汚れている時は要注意血算、凝固系検査は日常検査と同等の保存、追加検査に対応(凝固系検査は採血後4時間以内)再現性の低下、ブランクが高い、試薬の劣化・交換各施設で設定(一般的にHb,PLTの低値は外せない)、医師に連絡、記録、引き継ぎパニック値、検体不良時、測定結果に疑問がある時、記録をする汎血球減少、貧血、白血球増加(単核細胞の増加が疑われる)白血病疑い、分析機器メッセージ、異常な細胞ほど壊れやすい、スピナー標本作成結果の表示(秒・活性%・INR)、ISI値の違いヘパリンの混入、採血量が少ない、長時間の放置、施設間差検体の凝固、採血量が多い、薬剤の影響キャリオーバー、希釈測定、項目間の整合性、Dダイマーと逆転乖離、DIC、異常高値は再検中でも連絡し臨床所見と合わない時は検体凝固を疑うFDP高値、フィブリノーゲン低値、PT延長、血小板低下日当直時にあった異常値や機器の問題点、要望などインシデント報告・記録、再トレーニング日常業務を担当する技師は日当直者が円滑に行えるように配慮する必要もある。今回、日当直時間帯でも発生しうる事例を基に基本的な注目ポイントや再検査について解説する。キーワード(重要な手掛り)とポイント(要点)を下記の通りまとめた。キーワード業務開始前測定前に再検査の前に検体の状態白血球の増加白血球の低下血小板の増加血小板の低下MCHCが高値前回値と乖離(特に赤血球恒数に注目)採血量が規定量外測定後の検体分析機器の不良パニック値医師に連絡オーダが無くても血液像を引く時PTAPTT延長APTT短縮FDPDIC終了後の引き継ぎポンイト日当直講演会場:第3会場A(603号室)/視聴会場:第3会場B(604号室) 10:00~11:30座長:鈴木 翔子(東松山医師会病院)講師:星 孝夫(獨協医科大学埼玉医療センター) ~この技、明日からの業務に活用しよう~・日当直者に伝えたい!血液検査注目ポイント
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