埼臨技会誌 Vol67
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ざ識わ者が知っておきたい基本の知見方について話す。3.データの見方データを読めるに越したことはないが、最低限「偽の異常値」を見つけ、患者状態を反映した検査結果を臨床に返すことが重要である。そのためには、異常値チェックや前回値チェックなどのデルタチェックを活用する。検査システムによっては出現実績ゾーンなどの設定も行える。デルタチェックの中でも一番「偽の異常値」を見つけられるのは「項目間チェック」だと思われる。項目間チェックは、複数項目間の比較で、項目間の相関性の強さに依存する。例えば、総タンパクならアルブミンやC反応性タンパクと相関するし、さらにアルブミンはカルシウムとも相関する。つまり、一方が上がれば(下がれば)もう一方も上がる(下がる)のように、通常単独では変動しない項目を見れば、自動分析装置が出してきた結果が確からしいということが推測でき、患者状態を反映した「真の異常値」なのか、「偽の異常値」なのか検討がつく。日当直中は、普段来ないような問い合わせや、おかしな検体が来ることも多い。臨床から見れば検査技師は同じ検査技師。「普段血液検査やっているから分かりません」、「生理検査やっているから分かりません」はなるべく言わなくて済むように、基礎的な知識は身に付けるべきである。その上で、メインの担当部門がある人はその部門の研鑽を重ねていただきたい。この講演が少しでも皆様の業務のお役に立てれば幸いです。55臨床化学検査は多くの施設で測定され、普段臨床化学を担当していない日当直者が検査をすることも多い。現在では自動化が非常に進み、検体をセットし、スタートボタンを押せば、慣れていない人でも簡単に検査結果を出せてしまう。しかし検査結果は、実際の分析時だけでなく、検体の採取・前処理・搬送といった検査前から誤差要因を含んでおり、これらは「偽の異常値」として、ものによっては診断や治療を誤らせる医療過誤となり得る。そこで今回は、ピットホールに落ちないために、日当直と、事例を交えてデータの1.採血・採血管「検査の始まりは採血である」と言われるように、採血及び採血管は非常に重要で、その中に多くの誤差要因を含んでいる。採血では、採血法の選択から、採血針、駆血、クレンチング、採血の順番等で誤差を与える要因となるし、採血管では、構造や凝固促進剤、抗凝固剤等の内容物の種類と、それらの作用機序を知っておかないとピットホールに落ちる可能性がある。これらは「標準採血法ガイドライン」に詳しく書いてあるので一読することをオススメする。2.保存条件提出された検体をすぐに測定する場合は問題にならないが、日中に提出された検体に追加検査が依頼されたり、前日・前々日に提出された検体に追加検査が依頼されることも少なくない。その時に、保存されている検体が、全血なのか血清分離されているのか。室温なのか冷蔵なのか等、保存条件によって後日の検査結果は大きく変わってくる。また、保存後の検体をなんとなく転倒混和してしまったり、再遠心してしまうとこれまた検査結果が変わってしまうので注意が必要である。日当直講演会場:第3会場A(603号室)/視聴会場:第3会場B(604号室) 10:00~11:30座長:鈴木 翔子(東松山医師会病院)講師:永井 謙一(埼玉県済生会川口総合病院) ~この技、明日からの業務に活用しよう~・日当直者が知っておきたい基本の知ワ識ザ

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