埼臨技会誌 Vol67
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104 積水メディカル株式会社は、2018年8月、炎症性腸疾患(IBD)に有用な新しい分子マーカー「ナノピアLRG」*1、2の体外診断用医薬品製造販売承認を取得しました。* 「ナノピア」は積水メディカル株式会社の日本における登録商標です。* 1 一般的名称 ロイシンリッチα2グリコプロテインキット* 2 承認番号 23000EZX00043000使用目的:血清中のロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)の測定(炎症性腸疾患の活動期の判定の補助) さらに、2020年6月に保険収載致しました。測定項目:ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)測定方法:ラテックス免疫比濁法(定量)保険点数:276点準用保険点数:D003 9 カルプロテクチン保険適用上の留意事項:D003 9(1) 血清を検体として、ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)を潰瘍性大腸炎又はクローン病の病態把握を目的として測定する場合は、3月に1回を限度として算定できる。ただし、医学的な必要性から、本検査を1月に1回行う場合には、その詳細な理由及び検査結果を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載する。(2) 潰瘍性大腸炎又はクローン病の病態把握を目的として、D003の9カルプロテクチン(糞便)又はD313大腸内視鏡検査を同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定する。(3) ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)を測定する場合は、区分番号D026 検体検査判断料4生化学的検査(Ⅰ)判断料を算定する(144点)。<ナノピアLRGキット外観> 炎症性腸疾患は潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)に大別され、寛解と再燃を繰り返す原因不明の難治性疾患であり、いずれも厚生労働省の指定難病に認定されています。炎症性腸疾患の治療では、寛解を維持することが非常に重要とされています。活動期の兆候が認められた時に、早期に治療することで炎症の鎮静化を図ることが出来ます。 「ナノピアLRG」は、血清を用いて各種生化学自動分析装置により約10分間で検査結果を得ることが出来るため、迅速な病態把握が可能となり早期治療判断の一助となるものと期待されています。ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)は、定量的プロテオミクス手法により同定された新規炎症性マーカーである。ロイシンリッチリピート(leucine-rich repeat:LRR)と呼ばれるドメインを8つ含む約50kDaの糖蛋白質であり炎症局所で産生される。 LRGはロイシンリッチリピートを持つ血清糖タンパク質として1977年に単離された分子で、高知大学仲哲治先生(医薬基盤健康栄養研究所 招聘プロジェクトリーダー)らのグループにより、2010年に新たな炎症性タンパク質として同定され、2012年に潰瘍性大腸炎において炎症部位の腸管上皮でLRGが産生されることが明らかにされました。また、医薬基盤健康栄養研究所、大阪大学、慶應義塾大学、東京医科歯科大学により内視鏡で観察した活動性の状態を血清LRG濃度が反映していることが報告されています。 本発表では、炎症性腸疾患の基礎的な情報を提供し、腸疾患診療におけるCRPを超える新規炎症性マーカーとしての「ナノピアLRG」の特長および有用性について紹介させて頂きます。<LRGの概要>参考資料(リーフレット):ナノピアLRG製品概要[2020-0044](LRG-02)ナノピアLRG保険適用案内[2020-0045](LRG-04)資料請求先:積水メディカル株式会社 東日本営業所TEL:048-729-5460  FAX:048-729-5461管理番号:2020-0190○澤村 秀夫(積水メディカル株式会社 国内営業部 東日本営業所 学術・技術担当)炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に有用な新しい分子マーカー「ナノピアLRG」の紹介CM演題CM-1(10:00~12:00/13:00~15:00)

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