埼臨技会誌 Vol66
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R波振幅は相関係数0.803,S波振幅は相関係数0.7271,QRS幅は相関係数0.7479,T波極性は39件中36件で一致(92%),T波振幅は相関係数0.9204の結果を得た.R波振幅は相関係数0.643,S波振幅は相関係数0.3849,QRS幅は相関係数0.7551,T波極性は39件中35件で一致(90%),T波振幅は相関係数0.7425とT波極性を除いてやや低い相関結果となった.【考察】不整脈(+)群において症状記載の有無に差はなかった.一方,不整脈(-)群では大きな差がみられた事が乖離の要因と思われる.また症状記載(-)は62%と過半数を超えていた.症状記載がない場合,イベントボタンを押した際の患者状況や症状を把握できない.装置返却時に「症状記載を忘れた」と告げられる事例が多くあった.症状記載の重要性を伝えるため患者説明を見直す必要性を感じた.【結語】臨床側に患者状況や症状を提示するためにも症状記載は重要と考える.患者に記載意識を高めてもらうための工夫を引き続き検討していきたい.【結果】【結語】 現在も引き続き右側胸部誘導(V3R,V4R)の導出波形と実測波形の相関について,より詳細な年齢別の調査を継続しており、令和元年11月まで行う予定である.患者負担軽減及び検査時間の短縮を図るためにも,今回の結果を参考に,導出18誘導心電図で右側胸部誘導が代用可能かどうか臨床と協議を重ねていきたい.一般演題 生理一般演題 生理イベントレコーダー検査の現状と課題小児心電図における導出18誘導心電図の有用性の検討連絡先 048(773)1111 内線:2233◎黒岩 あすか1)、呂 徳哲1)、小宮山 英幸1)、河口 善博1)、田名見 里恵1)、川野 智美1)、吉成 一恵1)、菊池 裕子1)◎黒岩あすか1)、呂徳哲1)、小宮山英幸1)、河口善博1)、田名見里恵1)、川野智美1)、吉成一恵1)、菊池裕子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会上尾中央総合病院1)【はじめに】イベントレコーダーは長期間心電図モニタリングが可能な装置である.不整脈出現時に自動で波形記録を行う機能と症状を自覚した際にイベントボタンを押すことで波形を記録する機能がある.当院は2016年に1台導入して丸2年が経過し解析を90件実施した.解析の際にイベントボタンの回数と行動記録表の症状記載数が乖離していると感じたため調査をおこなった.【方法】2016年11月から2019年5月の間に実施した90件のイベントボタン総回数1,760回において行動記録表の症状記載と不整脈出現数を調査した.【結果】調査結果を以下の表に示す.◎阿久津 和代1)、廣瀬 朱里1)、野本 貴代1)、塚原 典子1)、金子 浩康1)、大橋 美奈子1)、羽鳥 浩司1)◎阿久津和代1)、廣瀬朱里1)、野本貴代1)、塚原典子1)、金子浩康1)、大橋美奈子1)、羽鳥浩司1)独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) さいたま北部医療センター1)独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)さいたま北部医療センター1)【背景と目的】現在,当院では小児科依頼の心電図検査において標準12誘導とともに右側胸部誘導の追加記録を行っている.しかし,小児は安静が困難なことが多く筋電図の混入や体動による基線の動揺により再記録になることが多い。検査時間の短縮による患者負担の軽減のため,導出18誘導心電図を用いた右側胸部誘導での代用の可能性についての比較検討を行ったので報告する.【方法】平成31年3月から令和元年7月に当院で小児科から心電図依頼のあった3歳から16歳までの男児16名,女児23名,計39名を対象とした. 日本光電社の心電図自動解析プログラムシステム(ECAPS18)を用いて演算処理で求められた右側胸部誘導の導出波形(V3R,V4R)と実測波形(V3R,V4R)のP波極性,R波振幅,S波振幅,QRS幅,T波極性,T波振幅について,日本光電社の心電図ファイリングシステム(Prime Creat)を用いて計測した.V3RについてP波極性は39件中33件で一致(85%),V4RについてP波極性は39件中23件で一致(59%),連絡先 048-663-167196一般演題一般演題生-23(第8会場 14:10~14:37)生-24(第8会場 14:38~15:14)小児心電図における導出18誘導心電図の有用性の検討イベントレコーダー検査の現状と課題6869

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