埼臨技会誌 Vol66
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生 理連絡先 048-536-9900 (内線2123)医より頻脈継続しているかの確認と,継続している場合血圧確認を行った方が良いと指摘があった.【結果・考察】今回パニック値(像)で最も多い所見はST-T変化で,特にST上昇例は全て緊急カテーテル検査施行となった.ST-T変化の鑑別は重要と考え勉強会を行った.また通常診療となった例の大部分は以前から指摘されている所見や自覚症状のない例であった.自覚症状の有無で対応が異なる事,循環器内科依頼は疾患に対して治療を行っている場合がある為,報告時患者症状の有無と,病歴,依頼目的の確認を行う事を留意点として科員に共有した.症例1は早期に治療開始に繋がり報告が有用であった.症例2を経験し発作性頻脈は血圧低下を伴い意識消失する場合がある為,次回遭遇時は血圧測定し,担当医に報告するよう改善した.【結語】当院生理機能検査室では定期的にパニック値(像)現状報告会を実施している.報告結果や経験した事例を振り返る事でパニック値(像)の見直しや対応を改善し,引き続き臨床側に有用な報告を行っていきたい.連絡先:048-466-2055未満であった.③患者の感想:A器とB器ではかゆみ,赤みなどの肌に関したものが多く,B器は車のシートベルトが当たり気になる,痛い等の機器に関したものが多かった.C器は特に無かった.D器では少数であるが締め付けられて苦しい,かゆみであった.A・B・D器の共通点は1週間以上電極が皮膚に接触しているため肌に関するかゆみ,赤みであった.④PAF等の出現:PAFの出現は装着2日目以降が多かった.sinus pauseの出現も装着2日目以降が多かった.sinus pauseの検出はB器が多かった. 【考察】シール式の心電図電極を連続して装着するA器,B器と,症状出現時に金属電極部を押し付けるC器,金属電極をベルトで押さえるD器があり,検査目的と患者の皮膚の負担を考慮した器種を選ぶことが重要である.また,記録を開始した2日目以降に症状が捉えられることが多い傾向があり,イベント心電図検査の有用性が認められた. ◎白井 亮輔1)、平川 唯1)、高木 友紀1)、吉野 香織1)、浅海 あゆ美1)、近藤 朝子1)、南雲 裕次1)、高山 好弘2)◎白井亮輔1)、平川唯1)、高木友紀1)、吉野香織1)、浅海あゆ美1)、近藤朝子1)、南雲裕次1)、高山好弘2)戸田中央医科グループ TMGあさか医療センター1)、TMG本部 臨床検査部2)戸田中央医科グループTMGあさか医療センター1)、TMG本部臨床検査部2)【はじめに】検体検査ではパニック値として診療に報告するシステムが定着している.しかし生理検査は患者の症状,状態,波形,画像を組み合わせて緊急度を判断しなければならず,パニック値(像)として検査所見を統一,数値化が困難な場合がある.今回,当院生理機能検査室パニック値(像)報告の現状と事例を報告する.【現状報告】①2019年1月~6月パニック値(像)報告件数:49件②検査別件数:心電図33件,ホルター心電図12件,心エコー2件,下肢静脈エコー2件③パニック値(像)所見内容④報告後対処内容【症例1】72歳男性,吸気時に胸全体の痛みがあり心電図検査実施.結果Ⅱ,Ⅲ,aVF,V5,V6にST上昇を認めた為直ちに担当医に電話連絡.その後担当医が心電図室に来室し,その場で患者に病状説明と同時に心エコー検査を実施.下壁に壁運動異常を認め,緊急カテーテル検査施行となった.【症例2】90歳女性,定期検査の為心電図検査実施.記録中に心拍数78bpmから急激に148bpmに上昇.担当医に電話連絡したが連絡取れず看護師に伝達.患者は軽度の動悸を認めたが,歩行可能であり外来に戻って頂いた.担当◎草間 冬子1)、油座 記子1)、柳 弘子2)、平山 真人1)、大久保 輝男1)、横田 進1)、鈴木 みどり1)◎草間冬子1)、油座記子1)、柳弘子2)、平山真人1)、大久保輝男1)、横田進1)、鈴木みどり1)埼玉県立循環器・呼吸器病センター1)、埼玉県立がんセンター2)埼玉県立循環器・呼吸器病センター1)、埼玉県立がんセンター2)【はじめに】イベント心電図記録は,1週間以上の期間について症状と心電図変化の関連を調べるために使用されることが多い.当院では 4器種のイベント心電図記録器を導入し,日常検査に用いている.今回我々は,4器種の機能や患者の感想などについて比較検討する機会が得られたので,使用経験を報告する.【対象および方法】2018年9月から当院を受診し,イベント心電図記録を行った20歳代以上の男女の心電図を対象とした.記録機器はA器:RAC-5203(日本光電),B器:eMEMO WR-100(フクダ電子),C器:HCG-901(オムロンヘルスケア),D器:EV-201(パラマ・テック)の4種類とした.検討項目は,各器種の①検査目的②装着持続時間③機器等に関する患者の感想④PAF等の出現とし,各器種の特性を比較検討した.【結果】①検査目的:A器,B器,C器はカテーテルアブレーション後の治療効果判定に,D器は初診精査に用いられていた.②装着持続時間:C器以外は患者都合により早期に外すことがあり,各器種の頻度はともに10%一般演題 生理一般演題 生理当院における生理機能検査室パニック値(像)報告の現状当院における4器種イベント心電計の比較検討及び今後の展望95一般演題一般演題生-21(第8会場 14:10~14:37)生-22(第8会場 14:10~14:37)当院における生理機能検査室パニック値(像)報告の現状当院における4器種イベント心電計の比較検討及び今後の展望6667

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