埼臨技会誌 Vol66
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一般演題 生理一般演題 生理ービデオ脳波を中心にー連絡先049-276-1445◎長田 知美1)、大村 一之2)、吉野 宗明1)◎長田知美1)、大村一之2)、吉野宗明1)医療法人康曜会 プラーナクリニック1)、埼玉医科大学保健医療学部2)医療法人康曜会プラーナクリニック1)、埼玉医科大学保健医療学部2)【背景】中等症~重症の睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の第一選択はCPAP治療である。CPAP治療の継続率やアドヒアランスに影響する一因として鼻閉が挙げられるが、鼻呼吸状態を客観的に評価する方法として鼻腔通気度検査が行われている。鼻腔抵抗値と主観的評価は乖離することが知られているが、鼻腔抵抗値やその左右比がCPAPアドヒアランスに影響する可能性が指摘されている。【対象・方法】2017年1月から12月に当院でPSG検査を実施後CPAP導入となり、1年以上治療を継続した症例110名(男性81名、女性37名)を対象とした。CPAP導入前に測定した鼻腔抵抗値や左右比と患者の自覚的鼻閉の有無、CPAP治療開始1か月後、1年継続後のアドヒアランスを調査し、比較検討した。【結果】CPAP導入前の主観的鼻閉については、鼻閉あり42名、鼻閉なし64名、不明4名であった。両側鼻腔抵抗値は鼻閉あり群:0.3±0.2Pa/cm3/sec、なし群:0.3±0.1Pa/cm3/sec。左右比は鼻閉あり群:1.9±1.8、なし群:1.5±1.6。CPAP治療開始1か月後の平均使用時間は鼻◎室井 夏妃1)、仲野 浩、安田 喜内、寺井 弘江、諸貫 孝久、武内 信一、池淵 研二、森吉 美穂◎室井夏妃1)、仲野浩、安田喜内、寺井弘江、諸貫孝久、武内信一、池淵研二、森吉美穂埼玉医科大学病院1)埼玉医科大学病院1)【はじめに】当院の脳波システムは本年1月に紙運用からデジタル運用に切り替え、3月からはすべての脳波に患者画像を録画する脳波ビデオシステム(以下ビデオ脳波と略)を導入した。このシステムの特徴と使用経験を報告する。【対象】本年3月1日から7月20日までのビデオ脳波584件と61件・のべ90日の長時間脳波ビデオ同時記録(以下長時間ビデオと略)を対象とした。【システムの概要】脳神経システムはCNN-2300(以下CNNと略)で保存容量は5T、これに脳波計3台、長時間ビデオ脳波計2台(小児科と精神科病棟各1台)、筋電計2台を接続、またCNN専用端末12台(検査室に4台、病棟・外来に8台)を接続(装置はすべて日本光電製)でさらにビューワーソフトEEGWEBを介して電子カルテ(富士通製、以下電カルと略)に接続、院内すべての電カルからビデオ脳波の参照と報告書作成が可能となった。なお電カル上でもリモンタージュやフィルターの変更、コメント入力等、判読に関しては専用機とほぼ同等の機能がある。なおビデオ脳波はデジタルカメラを、長時間ビデオ閉あり群:5.1±1.6時間、なし群:4.9±1.9時間。鼻腔抵抗値左右比は主観的鼻閉のある群で優位に高値を示した。両側鼻腔抵抗値が0.25Pa/cm3/sec未満の正常群と異常群とでは、CPAPアドヒアランスに有意差は認めなかったが、左右比1.87以上では治療早期(治療開始1か月後)の平均使用時間が有意に短かった。一方、治療継続1年後のアドヒアランスについては、左右比の有無で有意差は認めなかった。【考察】 CPAP療法は治療開始後6か月以内の脱落が多く、治療早期の適切な対応が重要視されている。当院では初診時に全例で鼻腔通気度検査と鼻症状の有無を問診しており、今後はこれまで以上に早期介入が必要な患者に注意する必要がある。今回、鼻腔通抵抗の左右比と主観的鼻閉の聴取がアドヒアランス向上に関与する可能性が示唆され、今後はこの有効性を明らかにするために更なる検討を行う予定である。連絡先:048-551-1500は拡大後もブレの少ない高精細IPカメラを採用した。【結果】システムの長所として、専用端末に出向く必要も無く、電カル上で随時判読可能で医師の負担は軽減した。紙脳波の管理に対する負担は軽減した。ビデオ脳波とリモンタージュ等の機能で、焦点の決定や発作と体動の鑑別などが容易となり、診断精度は向上した。運用開始後の問合せは十数件で、主に「見られない」など使用法に関するもので、電話対応で解決した。一方、クレームも8件あり、報告書の書式等に関するものが7件で、長時間ビデオの画像保護期間(大容量のIPカメラ画像は指定部分以外を3ヶ月で自動消去)の延長要求1件で、これらは初期設定のままで運用してもらっている。懸念していたCNNにアクセスが殺到し処理速度が低下する様な事態は発生せず、システムの導入はスムーズであった。【まとめ】大きなトラブルもなく導入できた本システムは脳波に関わる全てのスタッフの負担軽減でき、また診断精度の向上に繋がる、有効なシステムと考える。鼻腔抵抗値と主観的鼻閉がCPAPアドヒアランスに及ぼす影響当院における脳波システムの導入-ビデオ脳波を中心に-92一般演題一般演題生-15(第5会場 10:07~10:34)生-16(第5会場 10:07~10:34)鼻腔抵抗値と主観的鼻閉がCPAPアドヒアランスに及ぼす影響当院における脳波システムの導入6061

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