埼臨技会誌 Vol66
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連絡先 04-2900-2700 (内線3142)◎井上 準子1)、鷹野 亜希1)、江原 悠里子1)、式田 秀美1)、五十嵐 利恵子1)、田地 功忠1)、小林 清子1)、海老原 康博1)◎井上準子1)、鷹野亜希1)、江原悠里子1)、式田秀美1)、五十嵐利恵子1)、田地功忠1)、小林清子1)、海老原康博1)埼玉医科大学 国際医療センター1)埼玉医科大学国際医療センター1)【はじめに】サルコイドーシスは原因不明の全身性炎症性疾患であり,病変部位で類上皮細胞肉芽腫病変を形成する.肺,肺門リンパ節,皮膚,眼,心臓の病変が頻度としては高い.今回,比較的稀である筋病変を伴うサルコイドーシスの症例を経験したので報告する.【症例】60代,女性.右下腿内側に腫瘤を自覚し,近医にて神経鞘腫を疑われ当院を受診した.超音波所見にて右下腿内側の筋層に25×58×13mmの低エコー腫瘤を認め,長軸像では内部に線状高エコーを認めた.紡錘状,内部エコー不均質,辺縁粗雑明瞭,後方エコー不変,内部に豊富な血流信号が観察された.周囲脂肪層には浮腫状変化が見られた.腫瘤末端に索状構造は描出されず,明らかな神経鞘腫の所見は認めなかった.単純MRI検査にて,右腓腹筋内側の筋束にT2強調像,T1強調像で高信号の拡散制限,内部に索状の低信号域を認め,筋損傷,筋炎,サルコイドーシスが鑑別に挙がった.病理組織学的検査が行われ,類上皮細胞が胞巣状ないし小結節状に増生する類上皮細胞性肉芽腫を認め,サルコイドーシスの診断◎古川 絵理1)、茨木 雅代1)、水嶋 麻未1)、古川 愛実1)、澤村 陽香1)、吉田 貴典1)◎古川絵理1)、茨木雅代1)、水嶋麻未1)、古川愛実1)、澤村陽香1)、吉田貴典1)石心会 さやま総合クリニック1)石心会さやま総合クリニック1)【はじめに】乳腺悪性疾患の中で扁平上皮癌の発生頻度は0.2%、また髄様癌の発生頻度は0.4%とどちらも極めてまれな組織型である。今回急速増大の経過がみられた扁平上皮癌と髄様癌の混合型の1例を経験したので報告する。【症例】45歳女性、左乳房腫瘤を自覚し、当院を受診した。毎年当院で乳癌検診を受けており、受診日より10ヶ月前の検診時にはMMG、USともに有意所見はなかった。受診時の触診で左乳房12時方向に3.5㎝大の弾性硬の腫瘤を触知。左腋窩リンパ節に軽度腫大あり。【画像所見】超音波検査では左AC領域に26×15×30㎜、分葉~やや不整形で内部に嚢胞成分を伴う低エコー腫瘤を認めた。後方エコーは不変~軽度増強。内部に拍動性の血流シグナルあり。C領域に娘結節を疑う7㎜大の低エコー腫瘤を認めた。左腋窩には転移を否定できない皮質の厚いリンパ節を認めた。MMGでは背景は不均一高濃度、左U領域に微細鋸歯状の辺縁をもつ分葉形高濃度腫瘍を認める。石灰化は認められない。カテゴリー4。となった.その後,全身検索を行い,縦隔および両側肺門に多発リンパ節腫大,両肺に多発結節を認めたが,心サルコイドーシスの所見は確認できなかったため,積極的な治療は行わずに経過観察となった.【考察】腫瘤型筋サルコイドーシスの診断にMRIが有用とされており,本症例は当院MRI検査にて,病変中心部に線維組織を反映する低信号と周辺部に炎症性肉芽腫を反映する高信号を認める特徴的な所見であった.超音波所見も同様に,筋層の低エコー腫瘤内部に筋線維束に沿う線状高エコーを認め,特徴的な所見と考えられた.今回の経験から,超音波検査も筋サルコイドーシスの補助診断として有用であることが考えられた.今後,体表領域病変の超音波検査を行う際にはサルコイドーシスの鑑別も念頭に入れ進めていきたい.乳腺造影MRIではAC領域に4㎝の早期濃染する腫瘤あり、癌が疑われた。AB領域には1.2㎝の同様の性状結節が認められ、娘結節が疑われた。左腋窩には1㎝の転移を疑うリンパ節が認められた。【病理組織所見】扁平上皮癌成分と髄様癌成分が隣接して認められる。両者は比較的明瞭に境界されており、明らかな移行像は認められない。また通常の浸潤性乳管癌成分は認められない。【考察】超音波検査時に悪性が疑われ、急速増大の経過から、組織型に葉状腫瘍、扁平上皮癌が鑑別にあげられた。扁平上皮癌の特徴として急速増大の他に、腫瘤内に壊死や嚢胞変性を伴うことが多いこと、髄様癌では充実性のごく低エコー腫瘤としてみられることが知られており、今回の超音波像との整合性が得られた。【結語】今回乳腺悪性疾患において、まれな扁平上皮癌、髄様癌の混合型を経験した。一般演題 生理一般演題 生理当院にて経験した筋病変を伴うサルコイドーシスの1例急速増大の経過がみられた扁平上皮癌と髄様癌の混合型の1例連絡先:042(984)412588一般演題一般演題生-7(第1会場 10:06~10:51)生-8(第1会場 10:06~10:51)急速増大の経過がみられた扁平上皮癌と髄様癌の混合型の1例当院にて経験した筋病変を伴うサルコイドーシスの1例5253

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