埼臨技会誌 Vol66
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54 超音波検査はCT・MRと比較すると、被曝がないので繰り返し検査可能、大がかりな装置がいらずベッドサイドで簡便にリアルタイムで描出できるなどそのメリットは大きい。特に肝腫瘍に対しては、副作用のほぼ無い造影超音波が、診断のみならず肝癌の治療前後に施行され治療成績の向上に役立てられている。 反面、他の画像診断に比べ検者の力量や被検者の状態に左右され易いなどデメリットも良く言われるところである。 肝腫瘍の造影超音波の画像所見を中心に、超音波のピットフォールや限界を知ったうえでどのような事を心掛け検査を施行しているかにも触れお話ししたい。 X線CT検査はX線の減弱を利用して任意断面の画像を再構成することができ、近年は検出器の多列化により全身を短時間で撮影できることからも汎用性は高く、原発巣から遠隔転移の評価まで幅広く用いられている。特に、肝腫瘍が疑われる場合には、ヨード系造影剤を急速静注し高速撮影することにより、肝臓の血行動態を把握することができ、濃染パターンから腫瘍を評価することができるため診断に有用である。当日は肝癌を中心にX線CT検査における造影法や画像所見について解説する。 肝特異性造影剤(EOB)の登場により、肝腫瘍に対してMRI検査が多く利用されるようになった。EOBの特徴は、血流と肝細胞機能の両面から病変の評価ができることである。肝臓MRIで利用されている造影剤と画像コントラスト(T1強調画像、T2強調画像、拡散強調画像)の役割を整理し解説する。 症例は肝癌を中心に紹介する。Echo  山下 美奈子 埼玉医科大学総合医療センターCT  城處 洋輔 埼玉県済生会川口総合病院MRI  近藤 敦之 埼玉医科大学病院……第2会場 403・404号室 14:20~15:50(肝癌を中心に)肝腫瘍における各モダリティのアプローチ法

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