埼臨技会誌 Vol66
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【背景】 昨年12月に施行された「臨床検査技師等に関する法律」で検体検査の精度の確保が明文化され、同時に厚生労働省令によって「血中薬物濃度検査」が検体検査として新たに定義された。弊社では「生化学検査」を対象に精度管理試料を製造販売してきたが、近年自施設での測定が増えている「血中薬物濃度検査」への対応が必要と考え、両者を対象とする製品を開発、本年8月に上市した。【製品の概要】 製品名:L-コンセーラD 製品形態:液状凍結(-40℃以下保存)、1・2各3mL  1・2 各20本組(製品コード:56860)  1・2 各5本組 (製品コード:56861)        図) L-コンセーラD 外観 対象検査項目:・ 生化学28項目(総蛋白、アルブミン、CK、AST、ALT、LD、ALP、γ-GT、ChE、AMY、LAP、クレアチニン、尿酸、尿素窒素、総ビリルビン、グルコース、総コレステロール、中性脂肪、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、Na、K、Cl、Mg、Ca、IP、Fe、CRP) その他、原料血清に由来する測定可能な項目がある・ 血中薬物25項目(ジゴキシン、ジソピラミド、リドカイン、プロカインアミド、テオフィリン、リチウム、ハロペリドール、バルプロ酸、フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、ジアゼパム、エトスクシミド、トピラマート、ゾニサミド、サリチル酸、メトトレキサート、バンコマイシン、テイコプラニン、ゲンタマイシン、アルベカシン、トブラマイシン、アセトアミノフェン、エタノール)  ブロムペリドール、アミカシンはハロペリドール、アルベカシンとの交差反応により測定可能【外部評価結果】 L-スイトロールサーベイにおいて本年7月に行ったオプション調査から薬物項目の結果を表に示す。方法や試薬メーカーを区別せず項目一括で集計すると、CVは10%前後であった。両試料でCV10%以下の項目は、テオフィリン、バルプロ酸、フェニトイン、フェノバルビタール、メトトレキサートおよびエタノールの6項目であった。【まとめ】 法が求める検体検査の精度の確保に対し、その手段のひとつである精度管理試料を製造販売するメーカーとして、責任を果たすべく開発した製品である。血中薬物濃度検査について、今後もL-スイトロールサーベイにて毎年調査を実施する。対象薬物は、原料薬の添加によって調製したので代謝物を含まず実検体とは差異がある可能性があるが、毎年の調査によって評価を重ねたい。○篠原克幸、坂田裕二、北村匡(日水製薬株式会社)150CM演題CM-4(第4会場 9:30~11:05)生化学検査に加え血中薬物濃度検査を対象にした精度管理試料「L-コンセーラD」のご紹介

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