埼臨技会誌 Vol66
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 積水メディカル株式会社は、2018年8月21日付で「ナノピア® LRG」の体外診断用医薬品製造販売承認を取得しました。「ナノピア® LRG」は、血清マーカーによる炎症性腸疾患(IBD)に対する初の体外診断用医薬品で、血清中のロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)をラテックス免疫比濁法(LTIA)により簡便かつ短時間に測定する検査試薬です。「ナノピア® LRG」により、炎症性腸疾患の活動期の補助判定が可能となります。なお、「ナノピア® LRG」は現在,保険適用申請中です。 炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎、クローン病に大別され、寛解と再燃を繰り返す原因不明の難治性疾患であり、いずれも厚生労働省の指定難病に認定されています。炎症性腸疾患の治療では、寛解を維持することが非常に重要とされています。活動期の兆候が認められた時に,早期に治療することで炎症の鎮静化を図ることが出来ます。「ナノピア® LRG」は、血清を用いて汎用生化学自動分析装置により約10分間で検査結果を得ることが出来るため、迅速な病態把握が可能となり、早期治療判断の一助となるものと期待されています。 LRGは、ロイシンリッチリピートを持つ血清糖タンパク質として1977年に単離された分子で、高知大学仲哲治先生(医薬基盤健康栄養研究所 招聘プロジェクトリーダー)らのグループにより、2010年に新たな炎症性タンパク質として同定され、2012年に潰瘍性大腸炎において炎症部位の腸管上皮でLRGが産生されることが明らかにされました。また、医薬基盤健康栄養研究所、大阪大学、慶應義塾大学、東京医科歯科大学により、内視鏡で観察した活動性の状態を、血清LRG濃度が反映していることが報告されています。 本ランチョンセミナーでは、炎症性腸疾患の基礎的な情報を提供し、腸疾患診療におけるCRPを超える炎症マーカーとしての「ナノピア® LRG」の特長および有用性について紹介させて頂きます。資料請求先:TEL 048(729)5460積水メディカル株式会社 東日本営業所住所:さいたま市大宮区宮町1-114-1   ORE大宮ビル7階○須長宏行(積水メディカル株式会社 国内営業部 東日本営業所 学術・技術担当)148CM演題CM-2(第4会場 9:30~11:05)炎症性腸疾患の診断補助に有用な新規血清マーカー「ナノピア® LRG」の紹介

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