埼臨技会誌 Vol66
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 「バーサトレック」は血液培養検査ガイドライン「CUMITECH」にも記載されている信頼性の高い血液培養装置である。 2セット採取が推進されている中、機器を拡張して搭載ボトル数を増やすことが可能なユニークな機器でもある。血液培養検査は採血回数や採血量が多ければ多いほど陽性率が高くなることは大前提ではあるが、搭載するボトルの適用採血量は0.1mlからFDA510(k)認可を得ており、非常に微量な血液でも血液培養検査が可能である。無菌体液に関しても同様に0.1mL以上の液量で測定可能である。 測定に必要なボトルも「好気ボトル」と「嫌気ボトル」の2種類のみとなっており、小児用や真菌用の専用ボトルを用意する必要はない。 この特性により、小児科やNICU等で採血量が規定値まで採取できない場合でも「バーサトレック」では血液培養検査が可能となる。培養方法も従来の機器とは異なっており、好気ボトルは「トルネード撹拌」、嫌気ボトルは「静置培養」とボトルの種類に応じた培養方法を自動で識別している。 トルネード撹拌はボトル内のスターラーバーが回転し、ボトル内により多くの酸素を循環させる。一方、静置培養は文字通り、機器は一切作動することなく培養する。これにより好気ボトルからは好気性菌が、嫌気ボトルからは嫌気性菌がより明確に検出が可能となる。 測定原理も特徴的で、ボトル内の菌が産生するCO2の産生を従来の機器同様に検知するのはもちろんだが、これだけではなく、さらにO2の消費やN2、H2等のガス圧変動を感知する原理を有している。 このことから陽転時間の短縮が可能となり、またCO2の産生が弱い菌には非常に優れた性能を発揮する。本セッションではこれらの新たな機能や測定原理など機器性能の紹介を中心に、実際にルーチンで使用している施設の運用例等も紹介する。資料請求先:0120-566-899○森田敦貴(ベックマン・コールター株式会社 マーケティング本部) 147CM演題CM-1(第3会場 9:30~11:12)血液培養装置 「バーサトレック」の特徴

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