埼臨技会誌 Vol66
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大学生の運動負荷に対する心機能と生活習慣との関連性 身体運動が覚醒中の皮膚温・頸動脈血流量に与える影響 日間行った. 実験当日は被験者の身長, 体重,BMI,体脂肪率,足関節上腕血圧比(ABI),血圧,安静時心拍数を測定し, 生活習慣(食事, 運動,喫煙, 睡眠, 心の健康他)に関するアンケートを実施した. 安静時, 運動負荷後, 5分後,10分後において心臓超音波にて左室長軸断層および四腔像を観察した. Teichholz法により左室拡張末期容積と収縮末期容積算出し, その容積変化率により左室駆出率(EF)を求め, これを左室収縮機能の指標とした. パルスドプラ法により左室急速流入血流速度(E波)と心臓収縮期流入血流速度(A波)を測定し, この流入血流速度の比(E/A)を算出した. 加えてE波減速時間(DcT)を測定し, これらを左室拡張機能の指標とした. 運動負荷中には自覚的運動強度(RPE), 運動負荷前後には気分・眠気などの主観的評価を実施した. 【結果とまとめ】 非運動条件に比べ運動条件では, 運動負荷中において左室駆出率EF値が増加し, 左室収縮機能の増強がみとめられた.さらに解析を重ね,運動と左室拡張機能との関連, 生活習慣との関連性について検討する. 連絡先:048(971)0500 内線4329 計を前額, 鎖骨下, 手背, 足背の4箇所, 耳栓型の鼓膜音計を耳に装着し, 実験終了まで継続測定した. 安静時, 運動負荷直後より1, 4, 8, 11, 15分後に心拍・血圧測定および頸動脈エコーにて総頚動脈を観察した. 長軸断層の総頸動脈を描出し, 平均内径中膜複合体厚(mean-IMT)を計測した. さらにパルス・ドプラ法により収縮期最高血流速度(PSV:peak-systolic velocity)と拡張末期血流速度(EDV: end-diastolic velocity), 抵抗係数(RI: resistance index), 拍動係数(PI:pulsatility index)を測定した. 冷え性の主観的評価は, 寺澤・坂口らの『「冷え症」調査用問診票』と瀧口らの『冷え症新質問票』を用いた. 運動負荷中には自覚的運動強度(RPE), 運動負荷前後には気分・眠気などの主観的評価を実施した. 統計解析はSPSS ver.24を用いて行い, p<0.05を有意水準とした. 【結果とまとめ】 運動条件では, 非運動条件に比べ心拍,血圧,皮膚温が上昇するとともに,運動開始時よりPSVが増加した. 皮膚温などの生理学的指標や主観的評価との関連性についても検討する. 連絡先:048(971)0500 内線4329 【はじめに】 習慣的な有酸素運動による心臓への直接効果については, 虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化性疾患の発症とそれらの死亡リスクを低下させるとして多くの疫学研究で報告されている. また, 習慣的に有酸素運動を行うことにより加齢に伴う左室拡張機能の低下を抑制するという報告もある. しかし, これまでの心機能への効果に関する研究は, 高齢者を対象に習慣的運動の効果を評価するものが多い. そこで本研究では, 健常大学生を対象に一時的な有酸素運動を行い, その前後で認められる心機能の変化を調べ, さらに生活習慣との関連性を検討した. 【対象】 実験に関する説明後, 同意の得られた本学の健常大学生15名(男性:6名, 女性:9名, 平均年齢21.3歳)を対象とした. 女性に関しては測定条件を統一するため卵胞期に限定して測定を行った. 本研究は埼玉県立大学倫理委員会の承認を受けている. 【方法】 実験は室温23.5±1℃に調整した実験室で, 50%HRMaxのエルゴメータによる30分間の運動負荷と非運動負荷の2条件を1週間以上空けてクロスオーバーで計2【はじめに】 冷え症に悩む若年女性は近年増加している. これまで冷え症に関する研究は, 熱画像や自律神経指標を用いた検討, 食および生活習慣に関するアンケート評価が行われているが, その病態や生理学的機序が明確でないため統一的な診断基準もなく, 一定した見解が得られていない. 本研究では, 健常者を対象に主観的評価とともに, 運動負荷による体温と頸動脈血流量の変化を検討し, 冷え性の生理機序に関する基盤データを取得することを目的とした. 【対象】 実験に対し同意を得られた本学の健常大学生15名(男性:6名, 女性:9名, 平均21.33歳)を対象とした.測定条件を統一するため女性は卵胞期に限定して測定を行った. 本研究は, 埼玉県立大学倫理委員会の承認を受けている. 【方法】実験は室温23.5±1℃に調整した実験室で, 50%HRMaxのエルゴメータによる30分間の運動負荷と非運動負荷の2条件を1週間以上空けてクロスオーバーで計2日間行った. 被験者には実験前1週間の規則正しい生活習慣とともに前日からの飲酒・カフェイン制限, 当日の食事等について統一し事前に理解を求めた. 被験者が来所後, 皮膚温◎飯島竜星1)、門岡あかり1)、菅原海莉1)、細江みずき1)、伏見もも1)、北畠義典2)、有竹清夏1)2)◎飯島 竜星1)、門岡 あかり1)、菅原 海莉1)、細江 みずき1)、伏見 もも1)、北畠 義典2)、有竹 清夏1), 2) 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科2)埼玉県立大学 保健医療福祉学部 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学研究科2) ◎門岡あかり1)、菅原海莉1)、伏見もも1)、飯島竜星1)、細江みずき1)、北畠義典2)、有竹清夏1)2)◎門岡 あかり1)、菅原 海莉1)、伏見 もも1)、飯島 竜星1)、細江 みずき1)、北畠 義典2)、有竹 清夏1), 2) 埼玉県立大学 保健医療福祉学部 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学研究科2) 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科2)140学生演題学生演題学生-1(第8会場 13:10~13:37)学生-2(第8会場 13:10~13:37)大学生の運動負荷に対する心機能と生活習慣との関連性身体運動が覚醒中の皮膚温・ 頸動脈血流量に与える影響

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