埼臨技会誌 Vol66
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【はじめに】 高度先進医療が発達し、易感染宿主が増え、広域抗生物質の使用が増加した結果、Stenotrophomonas maltophiliaによる感染症は増加傾向にある。S. maltophiliaは多くの抗菌薬に自然耐性を示すため、その感染症は治療が困難である。治療にはST合剤やキノロン系抗菌薬が用いられるが、これらの薬剤に対して耐性を示す株の報告が増加している。S. maltophiliaのキノロン系抗菌薬に対する高度耐性化のメカニズムは、主に排出ポンプの過剰発現や外膜透過性の低下であると考えられているが、近年、ペンタペプチド反復たんぱくをコードする新規のキノロン耐性遺伝子(Smqnr)が報告され、Smqnrのキノロン系薬に対する耐性への関連性が報告されている。本研究では血液培養由来S. maltophiliaにおけるSmqnr保有率について調査した。 【対象】 2004〜2014年に分離された血液培養由来S. maltophilia 60株を対象とした。 【はじめに】 世界的に問題となっている薬剤耐性菌の感染制御は,もはや医療関連施設に限られた問題ではなく、ヒト,動物,環境の垣根を越えた取り組み(one health approach)を必要とする状況にある。近年、日和見感染症の原因菌として重要なStenotrophomonas maltophiliaの臨床由来株において、その限られた治療薬の一つであるキノロン系抗菌薬に対する耐性化が報告されている。S. maltophiliaのキノロン系抗菌薬に対する高度耐性化のメカニズムは、主に排出ポンプの過剰発現や外膜透過性の低下であると考えられているが、新たにキノロン耐性遺伝子(Smqnr)が報告され、Smqnrのキノロン系薬に対する耐性への関連性が報告されている。本研究では,河川由来S. maltophiliaにおけるキノロン耐性遺伝子Smqnr保有状況を明らかにすることを目的とした。 【対象】 LVFXに対するMIC値が2μg/mlを示した河川由来S. maltophiloa 64株を対象とした。 血液培養由来Stenotrophomonas maltophiliaにおけるキノロン耐性遺伝子Smqnr保有状況の解析 河川由来Stenotrophomonas maltophiliaにおけるキノロン耐性遺伝子Smqnr保有状況の解析 【方法】 Q1Aamp DNA Mini kit(QIAGEN)を用い、添付のプロトコールに従って対象株よりDNAを抽出した。プライマーSmQnrX-F: ACACAGAACGGCTGGACTGCおよびSmQnrX-R: TTCAACG ACGTGGAGCTGTTを用いてPCRによりSmqnr遺伝子を検出した。 【結果・考察】 対象とした60株のうち44株(73%)がSmqnr遺伝子を保有していた。Kanamori et al.の報告によると、血液以外の検査材料から分離されたS. maltophiliaにおけるSmqnr遺伝子保有率は57.5%であり、本研究で得られた血液培養由来株の保有率はこの値を上回っていた。 検出されたSmqnr遺伝子について、さらに遺伝子型の解析を進め、血液培養由来株における型特異性の有無を明らかにする予定である。 連絡先:048(973)4727(直通) 【方法】 Q1Aamp DNA Mini kit(QIAGEN)を用い、添付のプロトコールに従って対象株よりDNAを抽出した。プライマーSmQnrX-F: ACACAGAACGGCTGGACTGCおよびSmQnrX-R: TTCAACG ACGTGGAGCTGTTを用いてPCRによりSmqnr遺伝子を検出した。 【結果・考察】 対象とした64株のうち58株(91%)がSmqnr遺伝子を保有していた。今回測定した菌株はCLSIの基準ではLVFXに対して感性と判定されたものの、感性の値としては最高値を示しており、容易に耐性菌に変化しうるものと思われる。 検出されたSmqnr遺伝子について、さらに遺伝子型の解析を進めていく予定である。 連絡先:048(973)4727(直通) ◎櫻井杏子1)、宇佐見彩香1)、金井塚佳奈子1)、武井愛里咲1)、村井美代1)、岸井こずゑ1)◎櫻井 杏子1)、宇佐見 彩香1)、金井塚 佳奈子1)、武井 愛里咲1)、村井 美代1)、岸井 こずゑ1) 埼玉県立大学健康開発学科検査技術科学専攻1)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1) ◎武井愛里咲1)、宇佐見彩香1)、金井塚佳奈子1)、櫻井杏子1)、村井美代1)、花尾麻美2)、岡崎充宏2)、岸井こずゑ1)◎武井 愛里咲1)、宇佐見 彩香1)、金井塚 佳奈子1)、櫻井 杏子1)、村井 美代1)、花尾 麻美2)、岡崎 充宏2)、岸井 こずゑ1) 埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、東京工科大学 医療保健学部 臨床検査学科2) 埼玉県立大学健康開発学科検査技術科学専攻1)、東京工科大学医療保健学部臨床検査学科2)136学生演題学生演題学微-1(第3会場 13:50~14:35)学微-2(第3会場 13:50~14:35)血液培養由来Stenotrophomonas maltophiliaにおける河川由来Stenotrophomonas maltophiliaにおけるキノロン耐性遺伝子Smqnr保有状況の解析キノロン耐性遺伝子Smqnr保有状況の解析

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