埼臨技会誌 Vol66
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【はじめに】 呼吸や様々な外的要因より発生した活性酸素の多くは、生体機能を低下させ、各種疾病の発症や老化を促進させることが報告されている。これらのストレスに対する防御作用(抗酸化能)を持つ物質は多数報告されており、食品の持つ抗酸化能を利用した健康維持、疾病の予防に関する研究が注目されている。 今回試料として用いる「黒酢」は、鹿児島県霧島市福山町でおよそ200年前から独自の製法で作られている黒酢である。米酢は約3ヵ月前後で作られるのに対して、黒酢は1~3年間もの長い時間をかけて、ひとつの壺の中で発酵・熟成される。黒酢は健康食品として古くから親しまれており、これまで様々な機能性が報告されている。 本研究では黒酢の様々な機能性のうち抗酸化能について解析することを目的とした。特に抗酸化能を持つ物質のうち、活性酸素を除去する酵素であるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)様活性に着目し検討を行った。 ◎堀 直美1)、高崎 真帆1)、田中 智佳子1) ◎堀直美1)、高崎真帆1)、田中智佳子1)女子栄養大学 栄養学部 保健栄養学科 栄養科学専攻1) 女子栄養大学栄養学部保健栄養学科栄養科学専攻1) 【はじめに】本大学は栄養学を基礎とし、さらに臨床検査学を積み上げるカリキュラムになっている。私たちは栄養学を習得した臨床検査技師として、データ解析はもちろんのこと、チーム医療面において広く学びを活用し、活躍したいと考えている。 大学併設の栄養クリニックではメタボリックシンドローム対象者にダイエットすることを目的に、栄養指導と運動指導を組む込んだヘルシーダイエットコースが春と秋に半年間に渡り開講されている。1コースはおおよそ15名ほどで、検査対象であることに同意を得ている。検査は一般的な身体測定や生理検査、一般生化学血液検査、遺伝子型なども実施されている。今回、季節に注目し、臨床検査の変動を栄養学的見地から解析した。 【対象】ヘルシーダイエットコースの春と秋コースで分けた。 【方法】検査のための採血は半年のコース開始時、中間、終了時と3点実施される中、今回は開始時と終了時の2点の血清を用いてd-ROMs(酸化ストレス度)とBAP(抗酸化力)をWIMERLL社のフリーラジカル装置FREE CARRIO DUO【試料】 解析に用いた試料は日本薬品株式会社から提供を受けた壺の中で熟成され製造された黒酢及び市販の穀物酢(ミツカン)、市販の黒酢(ミツカン)を用いた。 【方法】 抗酸化能の測定にはSOD Assay Kit -WST (DOJINDO laboratories)を用いて使用説明書に従って測定した。測定後、SOD活性値を求め、「水溶性テトラゾリウム塩(WST)還元の50%阻害を示すサンプル溶液20μlに含まれるSOD量を1単位(U)」という定義に基づきIC50を求めた。 【結果】 それぞれの試料の抗酸化能としてIC50を計算したところ、壺製造の黒酢は16 U/mL、市販の黒酢は10 U/mLとほぼ同等の値であった。市販の穀物酢は40 U/mLと高値であった。 【まとめ】 黒酢には穀物酢に比べ抗酸化能を示すSOD様活性があることが示された。 連絡先:048(973)4799 にて測定した。半年間におけるダイエット効果を前後の2点で捉え、統計手法にSPSSを用い評価した。 【結果】体重、BMI、血圧、脂質検査、血糖関連検査項目に関しては、両コース共にダイエットの効果としての期待されるべき結果が得られた。d-ROMsとBAPはいずれも上昇した。特に秋コースの変動幅が春コースより大きく有意差が見られた。 【考察】一般的に、ダイエットは個人的な要素が大きく作用すると考えられるが、春期の方が生活リズムの節目や季節、環境など影響から効果が大きいと言われている。今回、秋の方が春よりダイエット開始のBMIが高く、d-ROMsとBAPの上昇率が大きかったことより、ダイエット効果としては秋の方が大きいのではないかと推測される。 【結語】ダイエットで代謝が活性化し活性酸素産生が上昇し、d-ROMsが増加したと言えるが、BAPの変動に関しては検討を加えたい。 連絡先049(289)0458 ◎岡田明也1)、関穂乃花1)、久保田亮2)◎岡田 明也1)、関 穂乃花1)、久保田 亮2) 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学保健医療福祉学部2)埼玉県立大学 保健医療福祉学部 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学 保健医療福祉学部2) 黒酢中の抗酸化能を持つ物質の解析 ダイエット効果の解析 135学生演題学生演題学化-2(第7会場 9:58~10:20)学化S-1(第7会場 9:58~10:20)黒酢中の抗酸化能を持つ物質の解析ダイエット効果の解析

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