埼臨技会誌 Vol66
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管理運営50(SD32.7)。12時間以上で平均72(SD73.3)であった。経時的変化では、業務開始4時間時点で平均3.9(SD3.5)。8時間時点で平均5.5(SD4.6)と業務時間が長くなるにつれて上昇した。個人別では4時間時点での平均最小1最大8。8時間時点での平均最小1最大9と個人差が明らかであった。ストレス要因として、長時間業務、MEPの急な低下、例数の少ない業務内容や急な検査変更が多く見受けられた。一般演題 管理運営一般演題 管理運営当検査部におけるパニック値報告の取り組みと現状について術中モニタリング検査におけるストレスチェックによる業務負担度の評価連絡先:042-984-4381◎荻原 安純1)、室谷 明子1)、木下 博美1)、網野 育雄1)、田地 功忠1)、小林 清子1)、海老原 康博1)◎荻原安純1)、室谷明子1)、木下博美1)、網野育雄1)、田地功忠1)、小林清子1)、海老原康博1)埼玉医科大学 国際医療センター1)埼玉医科大学国際医療センター1)【はじめに】当センターは、2015年1月に国際的評価機関であるJoint Commission Internationalの認証を取得した。その中で、情報の迅速かつ正確な伝達が求められている。このため、検査パニック値報告時に口頭連絡に加えて、電子カルテにてパニック値テンプレート(以下テンプレート)を使用する運用を導入した。この取り組みと現状について報告する。【方法】パニック値発生を確認した検査技師は30分以内に、従来の電話連絡に加えて、テンプレートを使用し検査依頼医に報告を行うが、依頼医と連絡がとれない場合は、同科医師、研修医、看護師の順に連絡をする。医師は報告を受けてから1時間以内に同一テンプレートにパニック値に対する対応を記録する。検査部は24時間以内に医師の対応記録をテンプレートで確認し、その運用状況を毎月集計している。【結果】2018年度のパニック値報告件数は月平均135件であり、技師のテンプレート記載率は100%であった。また、30分以内の医師への報告率は平均98.2%であり、30分以上◎渡邉 一儀1)、齊藤 理央1)、稲垣 正樹1)、三木 隆治1)、瀧沢 義教1)、内山 健二1)、中島 あつ子1)、春木 宏介1)◎渡邉一儀1)、齊藤理央1)、稲垣正樹1)、三木隆治1)、瀧沢義教1)、内山健二1)、中島あつ子1)、春木宏介1)獨協医科大学埼玉医療センター1)獨協医科大学埼玉医療センター1)【はじめに】術中モニタリング検査は、拘束時間が長く、検査結果が術後の患者QOLに直結することから、担当者の体力的・精神的な負担が大きい。執刀医から信頼される検査結果を提供するには、業務負担度を適切に評価し、適時体制を見直す必要がある。今回、ストレスチェック表を用いた業務負担度評価の有用性を検討したので報告する。【方法】対象は、術中モニタリング業務担当者5名(経験者2名、新規担当者3名)である。調査期間は、2019年3月から6月までとした。ストレスチェック表は、業務開始から終了まで1時間毎に、5項目の症状(眠気感、不安定感、不安感、だるさ感、ぼやけ感)を、1~5の5段階で評価したものをスコア値とし、業務時間別の集計や経時変化などを調査した。【結果】期間中の業務回数は、のべ124回であった。業務時間は、平均約8時間(最小約2時間、最大約17時間)であった。スコア/dayは、全体で平均44(SD34.4)。業務時間が4時間未満で平均28(SD11.3)。4時間以上8時間未満で平均37(SD30.6)。8時間以上12時間未満で平均の症例の殆どが、依頼医へ繋がらず連絡までに時間を要したことが原因であった。報告を受けた医師のテンプレート記載率は平均90.6%であった。医師がテンプレートに記載していない場合でも、殆どはカルテに対応を記録していた。【考察】パニック値報告から対応までをテンプレートに記載して、臨床対応の確認を行う施設は少数である。テンプレートに記録をすることにより、正確に情報伝達ができる上、テンプレートを通じて連絡した技師と医師間だけでなく担当スタッフへ迅速な情報共有が可能になる。更に、情報共有および検査部による対応記録確認はパニック値に対する対応遅れの防止に貢献すると考えられる。今後、パニック値に対する医師への連絡を円滑にするため、医師・看護師とパニック値に対する認識を共有することが必要である。また、対応遅れを早期に発見するために検査部で確認するタイミングを早めることの検討や負担軽減から医師のカルテとテンプレートへの重複記載を回避するシステム構築を検討することも必要かもしれない。【考察】スコア値は、全体では経時的に上昇を認めた。しかし、個人別では差が大きく、経験者、新規者別の比較でその差は大きかった。業務時間がストレスとなるタイプと、業務内容にストレスを受けるタイプによる差があると考えられた。【まとめ】ストレスの感じ方は、主観的であり個人差がある。個人別スコア値にて、業務負担度を客観的評価することは、人員配置、シフトなどを管理する上で、様々な業務改善に有用である。今後は、データの蓄積とスコア値の評価基準の検討が必要である。連絡先048-965-1111127一般演題一般演題管-4(第7会場 10:30~11:06)管-5(第7会場 11:07~11:25)当検査部におけるパニック値報告の取り組みと現状について術中モニタリング検査におけるストレスチェックによる業務負担度の評価8788

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