埼臨技会誌 Vol66
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一般演題 管理運営一般演題 管理運営診察室用タブレット型超音波診断装置導入による効果当院におけるTATの現状と課題について◎帆苅 由真1)、村椿 恵理子1)、安田 康恵1)、市川 智詩1)、相馬 悠1)、豊田 直也1)◎帆苅由真1)、村椿恵理子1)、安田康恵1)、市川智詩1)、相馬悠1)、豊田直也1)医療法人社団協友会 東川口病院1)医療法人社団協友会東川口病院1)【はじめに】 当院検査科では超音波診断装置Aplio_i600 1台を使用し,超音波検査室1室で稼働している.また,医師による病棟や術中・緊急対応時の使用を目的として超音波診断装置Xario200 1台を有している.検査科が行う検査予約枠は埋まってしまう頻度が高く,至急依頼などの際には空き部屋およびポータブル装置を確保できれば検査対応していた.近年,整形領域における超音波検査の有用性が高まり,診察室内での検査依頼が増え,確認目的で簡便に超音波検査を実施したいとの要望があったことから,整形外来診察室用としてタブレット型超音波診断装置SonoSite iViz(以下iViz)を導入したので,その運用について報告する.【対象】 iViz導入前後の2年間である2015〜2016年度と2017〜2018年度の整形領域超音波検査の件数について比較検討した.【運用状況】 iViz導入前の整形領域超音波件数は2015年度45件,2016年度22件であるのに対し,導入後は2017年度75件(診察室内63件),2018年度208件(診察室内◎大坂 圭司1)、諸貫 恵理子1)、内田 弘行1)、田地 功忠1)、小林 清子1)、海老原 康博1)◎大坂圭司1)、諸貫恵理子1)、内田弘行1)、田地功忠1)、小林清子1)、海老原康博1)埼玉医科大学 国際医療センター1)埼玉医科大学国際医療センター1)【はじめに】医療サービス向上の一つとして,検査結果報告時間短縮が求められ,外来検体の結果報告時間(turn—around—time;以下TAT)はその指標の一つと考えられている.当院では,1日平均約400件の外来患者採血があり,検体の殆どが診察前検査である.採血は3か所の採血室で対応し,気送管にて中央検査部まで運搬している.中央検査部では品質指標としてTATを測定している.今回我々は,外来検体のTATについて分析し,その現状と課題について報告する.【方法】2018年1月から12月の第1水曜日の外来検体を対象とし,血算,生化学,凝固,免疫血清検査の採血後から結果報告までのTATを集計した.また目標時間は1時間以内(免疫血清検査は1時間30分以内)に設定し,達成状況の評価とTATに影響を及ぼす因子を分析した.【結果】3か所の採血室間でTATに差は認められなかった.平均TATは血算20分,生化学41分,凝固35分,免疫血清61分であり,TAT達成率は,血算99.95%,生化学99.22%,凝固99.63%,免疫血清99.22%と良好であった.時間毎での検体数は,病棟検体と重なる8時~11時に多い200件)であった.iVizを導入した2017年度から整形領域超音波件数の増加がみられた.非常勤医師にも周知されたことにより2018年度には飛躍的な件数増加となった.【考察】 iViz導入により医師が診察室内で簡便に超音波検査を行えるようになり,検査実施件数も著しく増加した.患者が待たずに検査を受けられることも件数の増加に繋がったと考えられる.検査科への整形領域依頼は減少したものの,予約枠に余裕ができ,他科の検査依頼に対応しやすくなった.【まとめ】 当院の整形外来は2診体制であるが,増築により3診体制への検討もされている. iVizを現在常用している1診以外での使用も可能になれば診療時間の短縮および超音波診断装置の稼働率上昇に繋がると考える.また,増築により超音波検査室も2部屋2台稼働の予定となっている.整形外来からの依頼数が増加した場合に検査科として対応できるように整形領域超音波の知識と技術の向上が重要である.           連絡先:048(295)1000 (内線 133)が,11時~13時でTAT達成率が低下していた.また,TATに影響を及ぼす因子として,気送管での運搬,生化学(分離剤検体)の処理,時間毎での人員減少が挙げられた.採血検体は時間を決めて気送管で定期的に運搬しているが,搬送忘れ防止のアラーム設定導入により,TATの短縮が認められた.【考察】目標である採血後1時間以内の結果報告率は良好であり,検体数の多い時間帯でもTAT延長は認められなかった.TAT延長が人員減少時間帯で認められることから,時間毎の人員一人あたりの検体数は新たな指標になる可能性が考えられた.また,これまで希釈再検時には,再検値が確定するまで結果報告をしていなかったが,TAT短縮の新たな試みとして,初検値と希釈再検中であることを結果画面で一時報告する運用に変更した.【結語】TAT分析を行うことにより,現状の把握だけでなく,課題を明確にすることが出来た.今後もTAT分析を継続し,発見された課題に対処して,検査サービスの向上に繋げたい.連絡先 042-984-4384126一般演題一般演題管-2(第7会場 10:30~11:06)管-3(第7会場 10:30~11:06)診察室用タブレット型超音波診断装置導入による効果当院におけるTATの現状と課題について8586

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