埼臨技会誌 Vol66
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①UF-5000スキャッタグラム機能のBACT Information ②外部委託のグラム染色 ③外部委託の培養同定の結果を①と②,①と③で比較を行い,一致率を算出した.病理検査室の取り組み一般演題 一般一般演題 病理◎成塚 靖浩1)、磯田 亜美香1)、曽我 洸斗1)、石川 将基1)、中川 麻由美1)、藤原 朗博1)、原 誠則1)◎成塚靖浩1)、磯田亜美香1)、曽我洸斗1)、石川将基1)、中川麻由美1)、藤原朗博1)、原誠則1)社会医療法人壮幸会 行田総合病院1)社会医療法人壮幸会行田総合病院1)【はじめに】今回新規導入した全自動尿中有形成分分析装置UF-5000にはスキャッタグラムの中にBACT Informationがある.この機能は細胞数を測定する際に,細胞壁の構成の違いから前方散乱光と側方蛍光を利用し,グラム陽性菌とグラム陰性菌を予測することができる.この機能の有用性について基礎的検討を行ったので報告する.【使用機器・対象・方法】使用機器は,全自動尿中有形成分分析装置(シスメックス社 以下 UF-5000)を使用した.対象は,UF-5000でランダムに測定し,外部委託の培養検査に提出した尿検体とした.また,対象期間は2018年9月15日から2019年2月21日までとした.方法としては【結果】UF-5000で測定し,外部委託の培養検査に提出された尿534検体を対象に,外部委託のグラム染色,外部委託の培養同定との比較において一致率は,それぞれ◎島田 春奈1)、高橋 智史1)、田中 はるな1)、野村 匠1)、河原井 敦子1)、岩田 敏弘1)◎島田春奈1)、高橋智史1)、田中はるな1)、野村匠1)、河原井敦子1)、岩田敏弘1)埼玉県立がんセンター1)埼玉県立がんセンター1)【はじめに】病理検査では、多様な試薬や機器を取り扱う。これらを適切に保管・管理するには、「いつ、誰が、何をしたか」を記録に残すことが重要であり、ISO15189の原則である。また、これらを扱う要員の力量を管理することも必要事項である。そこで今回は、5章「技術的要求事項」のうち、実際に当院の病理検査室が実施した以下の4項目について報告する。【項目と対応】①試薬消耗品の記録:手順書の管理記録に従い、使用日時や使用量、在庫量(未開封本数等)、使用者を記録するようにし、Lot番号が変わった際、検証したものには「検証済み」、まだしていないものに関しては「未検証」のラベルを用い、一目で判断できるようにした。さらに、毒劇物及び危険物については、常時施錠してある専用の保管庫にそれぞれを区別して保管するようにした。施錠の徹底のため、「毒劇物保管庫の鍵 利用記録」を利用し、使用日時・使用者・使用した鍵の種類を記録するようにした。②染色性の記録:内部精度管理として染色性の記録を行うISO15189を取得して66.5%,63.3%だった.また,UF-5000がグラム陽性菌と予測した時の一致率は,それぞれ53.2%,51.9%だった.グラム陰性菌と予測した時の一致率は,それぞれ65.9%,77.7%だった.前方散乱光と側方蛍光を利用した方法とグラム染色の,異なる2法による細胞壁構成の予測は66.5%の一致率であった.【考察】UF-5000では死菌や無構造物などコンタミネーションをカウントしている可能性がある.今回,菌量にはカットオフ値を設定しなかったため,尿の採取方法によっては雑菌などが混入していたことも考えられる.また,外部委託の検体回収から検査までには時間がかかり,新鮮な状態ではない.そのため,全体の一致率で約60%,グラム陰性菌の一致率でも約70%となり,UF-5000のグラム染色予測を単独で用いることは難しいと考えられた.菌量のカットオフ値を設けたり,尿定性の結果や尿沈渣鏡検の結果と組み合わせたりすることで診療の一補助となる可能性も否定できないため,今後検討を続けていきたい.連絡先-048-552-1181ようにした。HE染色及び特殊染色、免疫染色において染色態度や試薬の調整を記録する染色精度管理表を常備した。試薬を調整・新調した場合には、容器に1.薬品名2.有効期限3.担当者の氏名4.毒劇物及び危険物識別を含む情報をラベリングするようにした。依頼書には、切り出し準備から標本提出までの各工程を担当した技師の押印欄を設けるようにした。③機器の記録:新規導入機器の検証記録や機器保守点検記録等を用いるようにした。機器保守点検記録では、毎日の温湿度(検査室・冷蔵庫など)、機器メンテナンス等の記録を行うようにした。④力量の記録:要員にはSOPに準じた習得レベルチェックリストを用いて力量評価を遂行するようにした。【総括】ISO15189を介した病理検査室での取り組みを報告した。一人一人が記録の重要性を意識し、実践・継続することが検査室の品質や能力を向上させることに繋がる。        連絡先:048-722-1111(内線4205)120全自動尿中有形成分分析装置UF-5000を用いた全自動尿中有形成分分析装置UF-5000を用いたグラム染色情報の基礎的検討一般演題一般演題般-4(第5会場 13:10~13:56)病-1(第6会場 13:38~14:05)グラム染色情報の基礎的検討ISO15189を取得して病理検査室の取り組み7643

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