埼臨技会誌 Vol66
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血 液一 般<はじめに>尿沈渣は腎・泌尿器系疾患のスクリーニング検査として重要である。その中でも特に尿路感染症(以下UTI)は頻度の高い感染症であり、起因菌の同定が重要である。今回、シスメックス社 全自動尿中有形成分分析装置UF-5000(以下UF-5000)を導入し、UF-5000のグラム陽性菌/陰性菌を判定する細菌弁別判定機能グラム染色性付加情報(以下BACT-Info)が、実際のグラム染色と一致するか比較・検討を行ったので報告する。<方法>対象:2019年3月~6月にて、泌尿器科から尿定性検査・尿沈渣と尿培養の同時オーダがあった194件(男性:100件、女性:94件)。方法:BACT-Infoによる結果と、細菌検査室にて実施したグラム染色結果を照合し一致◎藤村 和夫1)、栗田 佳子1)◎藤村和夫1)、栗田佳子1)埼玉県 済生会川口総合病院1)埼玉県済生会川口総合病院1)【はじめに】尿定性検査では、尿中に含まれる多種・多量の共存物質により検査結果に影響を及ぼす。現在、糖尿病の治療薬の一種としてSGLT2阻害剤が使用されている。この薬剤は近位尿細管のグルコース再吸収を抑制し、尿中に多量のグルコースを排泄する。今回我々は、尿中の多量なグルコースが尿定性検査の結果にどの様な影響を及ぼすのか検討を行なったので報告する。【使用機器・試験紙】・AX-4061・オーションスティックス10PA・クリニテックノーバス・試薬カセット10・US-3500・ウロペーパーαⅢ栄研9L【検討方法】①当院検査室に提出された検査終了後の残尿検体の中からグルコースが陰性で、白血球、蛋白、潜血が1+、2+、3+の検体とケトン体、亜硝酸塩が陽性の検体を用いた。②グルコース溶液(10,000mg/dl)を作製、各尿検体に添加し10段階希釈系列を作製、各機器にて測定を行った。◎宇津木 真由1)、竹本 伸幸1)、塚原 晃1)、高山 好弘2)◎宇津木真由1)、竹本伸幸1)、塚原晃1)、高山好弘2)戸田中央医科グループ 戸田中央総合病院1)、TMG本部 臨床検査部2)戸田中央医科グループ戸田中央総合病院1)、TMG本部臨床検査部2)率を求め、同時に菌種・菌量の調査を行った。なお、菌量が少なくUF-5000でBACT-Info表示なしの33件は解析対象外とした。<結果>BACT-Infoとグラム染色結果の全体一致率は79%、グラム染色性による一致率ではグラム陽性菌で84%、グラム陰性菌で85%。グラム陽性菌及びグラム陰性菌混合の一【結果】白血球において1+の検体がAX-4061ではグルコース4000mg/dl、他の機器ではグルコース1000mg/dlで陰性、3+の検体がグルコース9000mg/dlで陰性となった。蛋白において1+の検体が7000mg/dlで陰性、3+の検体において9000mg/dlで1+と低下が認められた。潜血において1+の検体が7000mg/dlで陰性、3+の検体が9000mg/dlで2+または1+と低下が認められた。ケトン体において2+の検体が9000mg/dlで陰性となった。亜硝酸塩においては変化が認められなかった。【考察・結語】尿中グルコース濃度が高くなる事により白血球、蛋白、潜血、ケトン体に偽陰性の影響があり、亜硝酸塩に関しては影響を受けない結果であった。SGLT2阻害剤を使用している場合、ケトアシドーシスや尿路感染症などの副作用に注意しなければいけない。しかし、尿定性検査のみでは見逃す恐れがあるため、尿生化学検査や尿沈渣検査と合わせて行う事が重要だと考えられる。致率は40%。菌種ではEscherichia coliが最も多く、Klebsiella Pneumoniae、Enterococcus faecalisと続いた。<考察>BACT-Infoとグラム染色の全体一致率は比較的高い結果を示した。不一致パターンは尿定性検査での細菌結果が(±)、かつ培養での菌量105CFU/ml以下の場合であった。菌量が少ない場合の不一致内容は以下が挙げられた。①BACT-Infoが判定不能 ②BACT-Infoとグラム染色の染色性不一致 ③BACT-Infoではグラム陽性・陰性菌いずれか検出、グラム染色ではグラム陽性及び陰性菌を検出。<結語>細菌検査でのグラム染色と比較し、BACT-Infoは尿定性検査・尿沈査結果と同時に情報提供することが可能であるため、UTIにおける初期治療薬の選択手段の1つになる事が期待される。しかし菌量が少ない場合は、細菌検査でのグラム染色性と不一致になることもあるため、注意が必要である。BACT-Infoを臨床に提供可能か、今後も継続して検討し、追加報告したい。連絡先048-442-1111(2530)一般演題 一般一般演題 一般尿中グルコースが定性検査に及ぼす影響全自動尿中有形成分分析装置UF‐5000による細菌に関する性能評価119一般演題一般演題般-2(第5会場 13:10~13:56)般-3(第5会場 13:10~13:56)尿中グルコースが定性検査に及ぼす影響全自動尿中有形成分分析装置UF-5000による細菌に関する性能評価7475

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