埼臨技会誌 Vol66
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薬)を使用し、ヘパリンの影響を測定した。変化率10%未満を影響なしとした。⑤相関:当院検査部にPT検査の依頼のあった患者検体100件を使用しPT-LとPT-Nを同時測定した。【結果】①同時再現性:CV=1.23~2.22%であった。②日差再現性:CV=1.53~2.59%であった。③試薬安定性:14日目まで良好であった。④共存物質の影響:ビリルビンF・Cは20mg/dL、ヘモグロビンは500mg/dL、乳びは1800FTUまで影響が認められなかった。またヘパリンは0.8U/mLまで影響が認められなかった。⑤相関:PT(%)はy=0.96x-1.53、r=0.994、PT(INR)はy=1.01x+0.01、r=0.991であった。【考察・まとめ】同時再現性、日差再現性、試薬-疥癬の持ち込みをきっかけに-安定性、共存物質の影響の結果より液状試薬コアグピア®PT-Liquidは日常検査に十分使用可能な試薬であると考えられた。また現行試薬との相関も良好であった。液状試薬コアグピア®PT-Liquidは試薬調製の省力化や、溶解誤差を防ぐことができ有用性の高いものと考えられる。 【方法】皮膚科医師の回診に同行し、検体採取方法、必要な機材と使用方法、検査方法についての指導を受け、検体採取をスタートした。【結果】実施した24件中5件が陽性、直ちに治療が開始された。疥癬は拡大することなく、2018年9月終息した。【考察】疥癬の院内持ち込みをきっかけに、検体採取への参入ができた。疥癬の終息後は、白癬菌を中心とした依頼を受けるようになり、現在も皮膚科領域の検体採取を継続して検査を行っている。今後は、鼻腔や咽頭等からの検体採取も検討し、さらに業務拡大へと繋げていきたい。連絡先049-276-1436◎高田 友仁1)、山下 智美1)、庄司 朋子1)、丸山 裕美1)、佐々木 志穂1)、高瀬 由美子1)、武内 信一1)、池淵 研二1)◎高田友仁1)、山下智美1)、庄司朋子1)、丸山裕美1)、佐々木志穂1)、高瀬由美子1)、武内信一1)、池淵研二1)埼玉医科大学病院1)埼玉医科大学病院1)【はじめに】プロトロンビン時間(PT)は凝固検査において主に外因系凝固因子の異常を検出するためのスクリーニング検査で用いられる。現行のPT試薬は凍結乾燥品のため使用時調製の必要があり、試薬溶解誤差や調製後安定までに時間を要する等の問題があった。今回、新たに開発された試薬溶解の必要がない液状PT試薬コアグピア®PT-Liquidの基礎的検討を行ったので報告する。【試薬・機器】検討試薬:コアグピア®PT-Liquid(以下PT-L)、現行試薬:コアグピア®PT-N(以下PT-N)(共に積水メディカル社)、測定機器:CP3000(積水メディカル社)【方法・対象】次の①~⑤の検討を行った。①同時再現性:コントロール血漿4濃度およびプール血漿2濃度の計6濃度を各連続10回測定した。②日差再現性:同時再現性と同様のサンプルを10日間測定した。③試薬安定性:試薬開栓し機器搭載後、14日目までコントロール血漿2濃度を測定した。④共存物質の影響:干渉チェックAプラス(シスメックス社)を使用し、ビリルビンF・C、ヘモグロビン、乳びの影響を測定した。変化率5%未満を影響なしとした。またヘパリンNa(持田製◎田中 菖1)、吉岡 直子1)、河井 美也子1)◎田中菖1)、吉岡直子1)、河井美也子1)医療法人 瑞穂会 川越リハビリテーション病院1)医療法人瑞穂会川越リハビリテーション病院1)【はじめに】疥癬は高齢者施設を中心に近年増加傾向である。介護者やリネン類を介し感染拡大の恐れがあるため、迅速な対応が必要である。当院は常勤の皮膚科医師が不在のため、疥癬疑いの患者は、週1~2回の非常勤医師の診察を待たねばならない。平成27年4月1日の法改正により、臨床検査技師は厚生労働省指定の講習を受けることで検体採取が可能になった。今回、疥癬の持ち込みをきっかけに皮膚科領域での検体採取業務に参入できたので報告する。【経緯】当院には臨床検査技師が3名在籍し、全員が厚生労働省指定講習を修了している。疑わしい患者は、速やかに検査を行いたいという声が院内で広がっていた。そこで検査室は、2018年1月の感染対策委員会で「臨床検査技師による検体採取を含めた疥癬の検査実施」を提案したところ、全会一致で承認され、スタートすることとなった。2017年末、他施設からの疥癬の持ち込みが相次いだため、一般演題 血液一般演題 一般液状プロトロンビン試薬「コアグピアPT-Liquid」の基礎的検討臨床検査技師による検体採取業務への取り組みについて連絡先 049-245-2141(検査室直通)118一般演題一般演題般-1(第5会場 13:10~13:56)臨床検査技師による検体採取業務への取り組みについて-疥癬の持ち込みをきっかけに-血-12(第4会場 14:06~14:42)液状プロトロンビン試薬「コアグピアPT-Liquid」の基礎的検討2873

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