血 液AQT90FLEXを用いて採血管の違いによるPCT・TnT測定値への影響液状試薬「コアグピア PT-Liquid」の基礎的検討TnTにおいて推奨検体と血清にはy=1.073x-0.011,r=0.996(p<0.0001)の相関関係が見られた.また推奨検体の測定値に対し平均0.0097 ng/mL上昇した.推奨検体とEDTA2K-NaF添加血漿にはy=0.860x+0.002,r=0.998(p<0.0001)の相関関係が見られた.また推奨検体の測定値に対し平均0.0051ng/mL低下した.【考察】AQT90FLEXはイムノアッセイ装置でありPCT,TnT共に血中の抗原を測定する抗原抗体反応を利用している.血清での測定結果に大きな差が無かった理由として抗原は血清,血漿中に同等量存在したためであると考えられる.EDTA2K-NaF添加血漿でPCTが低下した理由としてNaFが影響したと考えられる.【まとめ】血清ではPCT,TnT共に代用可能であるが,EDTA2K-NaF添加血漿ではPCTにおいて代用困難であると分かった.今後はNaFの影響についてPCT,TnT共に再度検討していく必要がある.更にその他の採血管や高濃度検体でも測定可能であるかを検討し,実用化していきたい.連絡先:048(474)7211 内線451 連絡先:048-253-1551(内線1902)◎佐藤 春菜1)、工藤 亜紀1)、大関 敬子1)、田村 佳織1)、飛田 若菜1)、清水 則明1)、高山 好弘2)◎佐藤春菜1)、工藤亜紀1)、大関敬子1)、田村佳織1)、飛田若菜1)、清水則明1)、高山好弘2)新座志木中央総合病院1)、戸田中央医科グループ本部2)新座志木中央総合病院1)、戸田中央医科グループ本部2)【はじめに】当院で使用しているAQT90FLEX (RADIOMETER社) でのプロカルシトニン(以下PCT),トロポニンT(以下TnT)検査において使用検体はEDTA2Kが推奨されている.検体量の不足などは測定不可の原因となり再採血を行わなければならず,検査結果の遅れにつながる.そこでこれらの問題を解消する為,血清またはEDTA2K以外の抗凝固剤を添加した血漿での測定が可能であるかを検討した.【方法】血清またはEDTA2K-NaF添加血漿をEDTA2K入り採血管(BDマイクロティナー微量採血管)へ移し測定した.また,PCTでは0.14~23ng/mL,TnTでは0.11~2.1ng/mLの濃度範囲で測定を行った.【結果】PCTにおいて推奨検体と血清にはy=1.024x+0.016,r=0.998(p<0.0001) の相関関係が見られた.また推奨検体の測定値に対し平均0.10 ng/mL上昇した.推奨検体とEDTA2K-NaF添加血漿にはy=0.922x+0.039,r=0.999(p<0.0001) の相関関係が見られた.また推奨検体の測定値に対し平均0.33ng/mLと血清に比べ大きく低下した.◎星 このみ1)、佐藤 友紀1)、軍司 雅代1)、尾股 恵美1)◎星このみ1)、佐藤友紀1)、軍司雅代1)、尾股恵美1)埼玉県 済生会川口総合病院1)埼玉県済生会川口総合病院1)【はじめに】プロトロンビン時間は主に外因系凝固異常を検出する検査であり,肝疾患の進行の指標や経口抗凝固療法のモニタリングとして用いられる.従来のPT試薬は凍結乾燥されたものであり,試薬溶解時の誤差や調整に時間を要するなどの課題があった.今回,積水メディカル株式会社より新たに開発された,使用前の操作が不要である液状試薬「コアグピアPT-Liquid」を検討する機会を得たので報告する.【試薬及び対象機器】検討試薬:コアグピアPT-Liquid(積水メディカル株式会社) 検討試料:当院外来・入院患者の3.2%クエン酸ナトリウム加血漿 現行試薬:トロンボレルS(シスメックス株式会社) 使用機器:CP3000(積水メディカル株式会社)【検討方法・結果】①同時再現性:低・高2濃度のコントロール及び1濃度のプール血漿を用い,各10回測定を行った結果,CVは秒数で0.44~0.68,%で0.92~1.04,INRで0.47~0.66と良好であった.②日差再現性:低・高2濃度のコントロールを用い,1日1回14日間連続測定した結果,低濃度のCVは秒数で0.43,%で0.79,INRで0.42,高濃度のCVは秒数で1.06,%で1.47,INRで1.08と良好であった.③共存物質の影響:干渉チェックAプラス(シスメックス株式会社)を用い,その影響を評価した.結果は,遊離型ビリルビン20mg/dL,抱合型ビリルビン20mg/dL,溶血ヘモグロビン500mg/dL,乳び2000FTU,ヘパリン0.8U/mLまでは測定値に影響を与えないことを確認した.④現行試薬との相関:院内に提出された患者検体167検体について相関性を確認した.結果は,回帰式(%)y=0.99x-3.60 r=0.97の結果が得られた.正常者群・疾患群の詳細結果及び解離検体の解析については,学会当日スライドにて報告する.【まとめ・考察】本試薬の基礎的性能,現行試薬との相関は良好な結果が得られた.今後の日常検査における利便性と,検査精度向上に寄与する有用性の高い試薬であると考えられる. 一般演題 血液一般演題 血液117一般演題一般演題血-10(第4会場 14:06~14:42)血-11(第4会場 14:06~14:42)採血管の違いによるPCT・TnT測定値への影響液状試薬「コアグピアPT-Liquid」の基礎的検討AQT90FLEXを用いて2627
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