埼臨技会誌 Vol66
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約6割に末梢血と同様の,細胞質辺縁に毛髪状の突起を認める細胞が見られた.【表面マーカー】CD5-,CD10-,CD11c+,CD19+,CD20+,CD25+,CD103+,λ鎖に著しい偏りを認めた.【染色体検査】正常女性核型.染色体異常は認めず.【遺伝子検査】BRAF V600変異を認めた.【経過】上記検査結果より,有毛細胞白血病の診断となり,輸 血血 液一般演題 血液一般演題 血液骨髄異形成症候群をきっかけに発見された多発性骨髄腫の一症例 若年者における有毛細胞白血病(HCL)の一例が認められた.その後,細胞表面マーカーではCD13,CD33陽性,蛋白電気泳動にてIgG-λのM蛋白が同定され,MDS(EB-1)と多発性骨髄腫の合併例として診断された.【考察・まとめ】今回,末梢血液塗沫標本で偽ペルゲル核異常や脱顆粒好中球などMDSを強く示唆する細胞が観察できた.しかし,多発性骨髄腫を疑うような連銭形成,形質細胞の出現などの所見は認められなかった.本症例においては貧血のスクリーニング検査と骨髄穿刺を施行し,多発性骨髄腫の合併を発見するに至った.以上のことから,血液疾患を疑った際のスクリーニング検査項目の選定及び骨髄穿刺検査の重要性を再認識することができた.スクリーニング検査項目について医師と意見交換を行ったり,技師からも検査項目追加の提案をすることができると迅速な治療に繋がると考えられる. 連絡先 048-773-1111(内線 2414)クラドリビンによる化学療法を行った.治療により,末梢血中のHCL細胞は消失し,肝脾腫の改善も認めたため,現在外来にて経過観察中.【まとめ】HCLは稀な疾患であるが,本症例のように広い細胞質を認め,HCLが疑われる細胞が末梢血に出現している場合は,強制冷風乾燥標本と併せて自然乾燥標本における形態異常の確認が必須であると考える.また,今回,HCLの好発年齢とされる年齢より若年者における症例を経験し,初診時の末梢血鏡検の重要性,および形態異常が認められた場合の速やかな対応の必要性を改めて学んだ.◎細田 未来1)、石井 明歩1)、伊東 麗1)、青木 早紀1)、秋山 沙織1)、波多野 佳彦1)、菊池 裕子1)◎細田未来1)、石井明歩1)、伊東麗1)、青木早紀1)、秋山沙織1)、波多野佳彦1)、菊池裕子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会上尾中央総合病院1)【はじめに】骨髄異形成症候群(以下MDS)と多発性骨髄腫が合併することは非常に稀である.MDSは後天性造血障害で慢性に経過する治療抵抗性の貧血・血球減少と急性骨髄性白血病へ移行しやすい予後不良の骨髄疾患である.また,多発性骨髄腫とは形質細胞の腫瘍化した疾患で単クローン性の免疫グロブリンの増加が特徴的である.今回,芽球増加を伴うMDS(EB-1)と多発性骨髄腫の合併症例を貧血のスクリーニング検査と骨髄穿刺により発見できたので報告する.【症例】70歳代男性.前医にて術後貧血,核小体明瞭な芽球様細胞が6%認められ,当院に紹介となった.【検査所見】TP9.5g/dL,Ca8.8mg/dL,WBC8,300/µL,Hb6.1g/dL,PLT23万/µL,末梢血液塗沫標本にて芽球3%,偽ペルゲル核異常,脱顆粒好中球などが認められた.【経過】検査データより骨髄穿刺施行となった.同時に血液内科専門医は貧血のスクリーニングとして蛋白分画,抗核抗体,補体,免疫グロブリンなどをセットで検査していた.骨髄は過形成でMDSに特徴的な好中球系の形態異常,微小骨髄巨核球,芽球の増加と多発性骨髄腫を強く示唆する形質細胞◎中島 舞1)、髙橋 美枝子1)、渡辺 翔也1)、田部井 友香1)、猪野 晋慶1)◎中島舞1)、髙橋美枝子1)、渡辺翔也1)、田部井友香1)、猪野晋慶1)深谷赤十字病院1)深谷赤十字病院1)【はじめに】有毛細胞白血病(Hairy cell leukemia:HCL)は,小型成熟リンパ球様細胞の増殖からなる,緩慢な経過をとる腫瘍と定義され,低悪性度の成熟B細胞腫瘍である.腫瘍細胞は,細胞質から飛び出した毛髪状の突起を有する細胞で,形態学的に特異である.患者のほとんどが中高齢者(50歳以降)で,男女比4~5:1とされているが,今回30歳代女性での症例を経験したので報告する.【症例】30歳代女性.2018年8月下旬より上腹部の張りを自覚.11月になり下腿浮腫も認めたため同月,近医を受診したところ,汎血球減少,肝脾腫を認め,精査のため当院紹介となった.既往歴は特になし.【入院時検査所見】WBC3.5×103/µL(異常リンパ球40%:自然乾燥標本にて,細胞質辺縁に毛髪状の突起を認めた),RBC2.16×106/µL,Hb6.9g/dL,PLT27×103/µL,FDP7.40µg/mL,Dダイマー4.70µg/mL,sIL-2R70100U/mL.腹部エコーにて肝脾腫,多発リンパ節腫大を認めた.骨髄検査ではdrytapで,有核細胞数0.3×104/µL,巨核球数0/µL,リンパ球82.6%.リンパ球の連絡先:048(571)1511 内線:1884113一般演題一般演題若年者における有毛細胞白血病(HCL)の一例血-2(第8会場 11:00~11:36)骨髄異形成症候群をきっかけに発見された多発性骨髄腫の一症例血-3(第8会場 11:00~11:36)3031

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