埼臨技会誌 Vol66
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CRP4.87mg/dL.WT1mRNA定量は、2.3×102コピー/µgRNA,高感度PNH型血球検査は、陰性であった.【骨髄所見】細胞密度は正形成で,3系統の血球に異形成はみられず,幼若細胞の増加も見られなかった.染色体検査del(20)(q11.2q13.3)[2/20]を認めた.【考察】症例は2系統の血球減少を認め,骨髄検査で染色体異常を認めたが,異形成はなく総合的にCCUSと考えられた.一般演題 輸血一般演題 血液◎越後薫1)、星孝夫1)、堀口大介1)、橋本亜希1)、中島あつ子1)、樋口敬和2)、春木宏介1)、岡村隆光3)◎越後 薫1)、星 孝夫1)、堀口 大介1)、橋本 亜希1)、中島 あつ子1)、樋口 敬和2)、春木 宏介1)、岡村 隆光3)獨協医科大学埼玉医療センター臨床検査部1)、獨協医科大学埼玉医療センター輸血部2)、獨協医科大学埼玉医獨協医科大学埼玉医療センター臨床検査部1)、獨協医科大学埼玉医療センター輸血部2)、獨協医科大学埼玉医療センター糖尿病・療センター糖尿病・内分泌・血液内科3)内分泌・血液内科3)◎関根 星香1)、小出 采歩1)、柴田 紗季1)、安藤 恭代1)◎関根星香1)、小出采歩1)、柴田紗季1)、安藤恭代1)社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院1)社会医療法人財団石心会埼玉石心会病院1)(背景)輸血の安全・過誤防止の最終砦として、投与前照合が重要である。当院では、電子カルテを用いた3点照合を開始して6年が経過する。2年前のカルテの入れ替えと増床による急激な看護師の増加と若年化で、血液製剤の投与前照合が疎かになっている可能性があった。そのため、血液製剤投与前照合を含めた手順の確認のため、輸血委員会と協働して輸血ラウンドを開始した。(委員会への提案)血液製剤の投与前照合を確実に行い、輸血の安全・過誤防止を目的として、2018年5月に輸血マニュアルに準じたチェックシートを作成して、定点チェックによる確認を提案した。しかし、看護部より「まずは、看護部で手順を再確認、再指導する。」という方針により輸血ラウンドは見送りとなった。そのため「看護部の手順と指導効果確認」との意味合いのラウンドを行った。(方法)マニュアル内の投与手順から、投与前8項目、実施登録5項目、投与・記録17項目を抜粋してチェック表を作成した。血液製剤払い出しに合わせて、看護師長と検査技師で病棟に行き、チェックシートを基に定点チェックで【はじめに】WHO分類第4版よりMDSの診断基準に当てはまらない「よく分からない血球減少症」をMDS周辺の骨髄造血障害疾患としてICUS,CCUS,CHIP,IDUSという概念が新たに定義された.定義上MDSと診断できない症例の形態異常や染色体異常を考慮し診断分類とした意義は大きく,MDSへの進行などの予後の予測に役立つと考えられる.今回われわれは,CCUSと考えられる症例を経験したので報告する.【症例】2014年から他院で関節リウマチ治療中であった.2015年8月好中球減少と汎発性帯状疱疹で入院.この頃から単球増加を認めた.2018年6月から薬剤処方を自己判断で中止した.2018年8月から,体幹と四肢に発疹が出現し、血液検査にて血球減少を認め精査の為,当院血液内科に紹介となった.【検査所見】WBC3100/µL(Sg33%,St1%,Ly49%,Mo16%,Eo1%),RBC3.00×106/µL,Hb8.7g/dL,Ht27.1%,Plt165×109/L,Ret2.42%,TP8.0g/dL,AST20U/L,ALT10U/L,LD173U/L,T-Bil0.39mg/dL,WT1を発現したCCUSの一症例112~輸血委員会との協働・輸血のチーム医療~確認した。(結果)2019年3月より対象患者6名、9件のラウンドを行った。遵守率は最高で100%で最低は80%であった。看護師と検査技師の確認者の着眼点に差はなかった。投与・記録の項が最も遵守率が高かった。逆に投与前バイタルの確認と輸血セットとの接続手順は遵守率が低かった。(考察)高率な遵守率から、看護部の再教育は有用であったと考えられる。確認者間の差がなかったことより、院内の血液製剤投与照合・手順の意識統一がされていると、確認できた。しかし、フィルター接続方法は指導が必要で、血液製剤の取扱いに詳しい技師の助言が必要である。(まとめ)血液製剤の投与手順についてチェック表を用いた輸血ラウンドを行ったことで、看護師の投与手順を確認できた。また、患者さんに寄り添う看護師の姿を目の当たりにして、安全な輸血療法の重要性を再認識し、輸血の安全・過誤防止のために、輸血ラウンドは必要であると感じた。連絡先 04-2953-6611 内線1290【まとめ】今までも「よく分からない血球減少症」は,多く存在していたが,血液検査室として明確にフォローできていなかった.ICUS,CCUSなどの概念が定義されたことにより,より明確に病態の変化に対応できると考えられる.日々の検査で「よく分からない血球減少症」を血液検査室で拾い上げ,臨床側に精査を促すことでMDS周辺の骨髄造血障害疾患の早期発見,早期フォローにつながると考えられる.連絡先:048-965-1111 内線(3219)輸血の安全・過誤防止のための輸血ラウンド一般演題一般演題輸-4(第8会場 9:30~10:06)血-1(第8会場 11:00~11:36)輸血の安全・過誤防止のための輸血ラウンドWT1を発現したCCUSの一症例~輸血委員会との協働・輸血のチーム医療~8129

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