埼臨技会誌 Vol66
108/163

空腹時における小腸型ALPの比較IFCC(IFCC法:関東化学)を用いた。また、小腸型ALPの確認にJSCC標準化対応法の第1試薬にL-フェニルアラニンを添加した小腸型ALP測定用阻害試薬およびアイソザイム検査を行った。【結果】IFCC法の活性(y)との相関は、JSCC法:換算値(x)で、r = 0.970, y = 0.911x+3.38, A型AB型では、r = 0.980, y = 0.977x-0.34, B型O型では、r = 0.970, y = 0.891x+3.94。JSCC-小腸型ALP阻害法:換算値(x)では、r = 0.960, y = 1.041x+1.37, A型AB型では、r = 0.989, y = 1.008x+1.91, B型O型では、r = 0.949, y = 1.047+2.55であった。【まとめ】B型またはO型の分泌型の小腸型ALP量は個人差が大きいとされ、今回の空腹時においても小腸型ALPは一定の割合で認められた。特にB型またはO型では、空腹時においても小腸型の割合が高く個人差が大きいことが確認された。 連絡先:0493-24-7871(直通)一般演題 臨床化学一般演題 臨床化学◎中村 哲也1)、小澤 瞳1)、鈴木 翔子1)、巖崎 達矢1)◎中村哲也1)、小澤瞳1)、鈴木翔子1)、巖崎達矢1)東松山医師会 東松山医師会病院1)東松山医師会東松山医師会病院1)【背景】アルカリホスファターゼ(ALP)活性測定は、肝胆道系・骨疾患のスクリーニング検査として利用されている。肝型・骨型・小腸型・胎盤型のアイソザイムが存在し小腸型ALPでは、B型またはO型の分泌型に依存して血中に出現し、特に脂肪食後に高値となる事が報告されている。日本臨床化学会(JSCC)から、小腸型ALPの反応性が高いリン酸受容体(EAE)から反応性が低い(AMP)を使用するIFCC法へ変更する事が決定している。【目的】今回、空腹時検体を対象に小腸型ALPの影響を血液型別(AまたはAB型、BまたはO型)にJSCC法とIFCC法において比較検討した。【対象】食後10時間以上の健診受診者の残余血清160件(A型60件、AB型20件、B型40件、O型40件)を使用した。【方法】測定装置は日立7180型(日立ハイテクノロジーズ)を用い、ALP活性測定にはシカリキッドALP(JSCC法:関東化学)およびシカリキッドALP-◎稲葉 拓郎1)、石川 純也1)、中村 昌昭1)、蓑輪 雄太1)、芦 直樹1)◎稲葉拓郎1)、石川純也1)、中村昌昭1)、蓑輪雄太1)、芦直樹1)上尾中央医科グループ 上尾中央臨床検査研究所1)上尾中央医科グループ上尾中央臨床検査研究所1)【はじめに】血清マグネシウム(以下Mg)は種々の酵素の補助因子として作用し、生体代謝調節に重要な役割を担う金属類である。今回我々は汎用自動分析装置を用いたMg測定試薬であるLタイプワコーMg・N(富士フィルム和光純薬)(以下酵素法)と従来法であるマグネシウム-HRⅡ(富士フィルム和光純薬)(以下比色法)について比較検討を行なう機会を得たので報告する。【方法】(1)併行精度(2)室内再現精度(3)正確性(4)希釈直線性(5)共存物質の影響(6)検出限界(7)定量限界(8)相関性の検討を行った。【結果】(1)2濃度の専用コントロールとプール血清、QAPを用いて20回測定を行った結果CV%値は、全て5%以内であった。(2)専用コントロールとQAPを用いて7日間測定した結果、酵素法の総変動係数は全て3%以内で、比色法の総変動係数は最大で31%の変動であり継時的な低下がみられた。(3)JCCRM321-8を用いた結果、酵素法は平均値の95%信頼区間に認証値が含まれていたが、比色法は含まれていなかった。(4)専用試料を10段階希釈し測定を行い酵素法は26.0mg/dL、比色法は11.0mg/dL まで直線性を認めた。(5)ビリルビンF・C、溶血ヘモグロビン、乳びの影響はともに見られなかった。(6)専用試料を10段階希釈し、10回測定を行った結果、±2.6SD 法による検出限界は酵素法では0.11mg/dL、比色法では0.22mg/dLであった。(7)酵素法は0.16mg/dL、比色法は0.46mg/dLであった。(8)酵素法と比色法の相関性をn=50で検討した結果r=0.9870、y=0.9798x+0.2030であった。【考察】室内再現精度で酵素法より比色法が変動した。これは、比色法の試薬がpH11以上のアルカリ溶液であり、開栓したまま長時間放置すると、空気中の炭酸ガスを吸収してpHが低下する特性によるものだと推察される。【結語】今回行った比較検討では比色法より、酵素法の方が良好な結果であった。比色法では、試薬の状態により精度管理で変動する事があるため、よく特性を理解して使用する必要がある。  連絡先:042-912-3112(直通)Mg測定試薬の比較検討ALP活性測定のJSCC法・IFCC法の比較検討空腹時における小腸型ALPの比較106一般演題一般演題化-2(第4会場 9:30~9:58)化-3(第4会場 9:59~10:27)Mg測定試薬の比較検討BM6070形自動分析装置を用いた性能評価ALP活性測定のJSCC法・IFCC法の比較検討BM6070形自動分析装置を用いた性能評価3436

元のページ  ../index.html#108

このブックを見る