埼臨技会誌 Vol66
107/163

微生物臨床化学7件 9件 (38%)1件 (4%)   連絡先:048-601-2200 (内線:2507)上)の2種のアイソザイムを使用し、それぞれ5g/dLウシアルブミンを含むPBS(pH7.4)に溶解してJSCC法で約500U/L【まとめ】質量分析を導入後、従来法と比較し、セルスメア法、直接同定の順に血液培養が陽性となってからの菌名報告に要する時間は短縮されている。それに伴う抗菌薬変更例の増加と、菌種に基づく選択までの日数の短縮から、直接同定がAST活動へ貢献出来ていると考えられる。今後さらに直接同定の例数を重ね、抗菌薬変更例および、入院日数の変化等の臨床効果について検討する。    【結果】LD₁のIFCC法およびJSCC法による活性値はそれ同様にLD₅ではそれぞれ404,529U/Lとなり、IFCC法で行ったところ、LD₁高値血清ではIFCC法が高値に、LD₅高Km値が小さく、至適pHがよりアルカリ側のLD₁に適した条件となり、逆の性状を有するLD₅には適さない条件となることが推測された。今回、両方法におけるLD₁とLD₅の反応性の相違を検討したところ、特にLD₅の反応性が血清においてもLD₅が上昇する例で両方法の乖離が増大しぞれ、534,514U/Lとなり、IFCC法で5.0%高値となった。値血清ではJSCC法が高値となり、特に後者では10%以上の乖離を認めた。【考察】IFCC法はJSCC法に比べて基質濃度が低く、pHはよりアルカリ性側に設定されている。これらの変更はた。              連絡先 : 048-973-4802直接同定セルスメア法従来法一般演題 微生物一般演題 臨床化学質量分析装置を用いた血液培養直接同定の臨床効果変更/追加/終了14件 (58%)継続投与無し合計件数は従来法と比べセルスメア法では23%の増加、従来法と比べ直接同定では13%増加した。また、菌種に基づく選択までに要した日数は、従来法では平均3.43日、セルスメア法での報告時は平均2.70日、直接同定運用後は平均2.07日であった。68件 (68%)25件 (25%)(7%)24件100件41件 (45%)35件 (38%)15件 (16%)91件◎山本 早紀1)、毛利 光希1)、伊村 浩良1)、遠藤 法男1)◎山本早紀1)、毛利光希1)、伊村浩良1)、遠藤法男1)埼玉県立小児医療センター1)埼玉県立小児医療センター1)【はじめに】当院では2017年10月より質量分析装置(MALDI biotyper:Bruker社)を導入し、2019年4月より血液培養直接同定の運用を開始した。血液培養陽性例におけるMALDI導入以降の菌名報告が、臨床へ与えるインパクトについて検討を行ったので報告する。【対象】2017年1月から2019年7月までに、当院で陽性と報告された血液培養検体215件を対象とした。【方法】MALDI導入以前として、2017年1月~2017年9月までに生化学的性状にて同定を行った91件(以下、従来法)、MALDI導入後の2017年10月~2019年3月までで、得られたコロニーより質量分析同定を行った100件(以下、セルスメア法)、血液培養検体からの直接同定運用開始後として2019年4月~2019年7月までにrapidBACproⅡ(ニットーボーメディカル)を使用した24件を比較した。【結果】MALDI導入前(従来法)、導入後(セルスメア法)、直接同定運用開始後における、抗菌薬の経験的選択から菌種に基づいた選択への変化を右表に示す。臨床への菌名報告により抗菌薬の変更、追加、中止がされた割合◎田中 満里奈1)、山口 奈摘美1)、松下 誠1)、巖崎 達矢2)◎田中満里奈1)、山口奈摘美1)、松下誠1)、巖崎達矢2)埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科1)、東松山医師会 東松山医師会病院2)埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科1)、東松山医師会東松山医師会病院2)【目的】LD活性測定は、JSCC法(L-乳酸60mM,pH8.8)からIFCC法(L-乳酸50mM,pH9.4)への変更が決定されている。検討を行った。余血清を使用した。活性測定はJSCC標準化対応試薬(LタイプワコーLD・J)とIFCC標準化対応試薬(LタイプワコーLD・IF)を用いた自動分析法(CA-270 plus)で測定を行った。また、アイソザイム分析は、アガロースゲル電気泳動法を用いるエパライザ2Jr(ヘレナ研究所)を使用した。IFCC法の活性測定では、JSCC法に比べLD₁有意な疾患では高値に、またLD₅有意な疾患では低値に測定されることが報告されている。しかし、JSCC法とIFCC法でLD₁とLD₅の反応性がどの程度異なるのかは明確にされていない。今回、両方法におけるLD₁とLD₅の反応性の相違について【方法】試料として、Aviva Systems Biology 社製のLD₁(ヒト赤血球由来,純度100%)とLD₅(ヒト肝臓由来,純度95%以となるよう調整した。また、健常,LD₁高値,LD₅高値の残23.0%低値となった。また、JSCC法(x)とIFCC法(y)の相関関係は、r=0.998,y=0.98xと良好であったが、一部乖離する例を認めた。すべての血清についてアイソザイム分析をIFCC法で大きく低下することが明らかとなり、実際の患者105一般演題一般演題微-14(第3会場 13:10~13:46)化-1(第4会場 9:30~9:58)JSCC法およびIFCC法におけるLD1とLD5のJSCC法およびIFCC法におけるLD1とLD5の反応性の相違に関する検討 反応性の相違に関する検討質量分析装置を用いた血液培養直接同定の臨床効果1533

元のページ  ../index.html#107

このブックを見る