埼臨技会誌 Vol66
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微生物2回洗浄80.4%(37/46)であった.質量分析測定前処理方法の違いによる同定一致率は遠心後沈査直接法37.5%(12/32),沈査に70%ギ酸を50μL添加した混合液66.0%(31/47),沈査に70%ギ酸と99.9%アセトニトリルを50μLずつ添加した混合液は59.6%(28/47)であった.総合的に判断し測定条件を上清法で集菌,生食で回収,洗血液培養迅速報告の検討NALC法のみ培養陽性が20検体で、抗酸菌分離株の内訳はMycobacterium-tuberculosis(TB)が4株、Mycobacterium-avium-complex(MAC)が5株、その他が11株であった。ACP法のみ培養陽性は複数菌分離検体を含む23検体で、その内訳はTBが4株、MACが5株、Mycobacteroides-abscessusが3株、その他が12株であった。また、この3菌種12株の検体はNALC法では全て汚染であった。【考察】ACP法の汚染率は、NALC法に比べ良好な結果が得られた。しかし、許容範囲とされる2~5%を下回り過度の雑菌処理が考えられ、菌量の少ない喀痰検体への影響が懸念される。8週目の固形培養結果でも、明らかにACP法がNALC法よりも少ない菌量であった。これらを考慮すると抗酸菌培養で固形培地のみ使用する場合には、コストの増加と検体処理に若干の手間は加わるが、NALC法とACP法処理後にそれぞれ接種した小川培地2本の併用で対応するのが望ましいと考えている。          連絡先 048-536-9900(内線2280)◎樋口 翔大1)、鳥羽 里穂1)、須江 義孝1)、吉岡 浩明1)、鈴木 みどり1)◎樋口翔大1)、鳥羽里穂1)、須江義孝1)、吉岡浩明1)、鈴木みどり1)埼玉県立循環器・呼吸器病センター1)埼玉県立循環器・呼吸器病センター1)【はじめに】当院では長年、抗酸菌固形培養(小川法)の高い汚染率に苦慮してきた。特に結核治療中患者の抗酸菌培養検査は、安価に菌量の把握や複数菌の確認ができることから固形培養のみ実施しており、汚染率の改善が急務であった。今回、喀痰前処理液アシッドプラス®(極東製薬,ACP法)を使用し、NALC-NaOH処理(NALC法)との小川法の結果を比較検討する機会を得たので報告する。【対象】2018年10月から、2019年2月までの抗酸菌検査の依頼があった喀痰1140検体のうち、ランダムに選んだ307検体を対象とした。【方法】NALC法は喀痰検体を抗酸菌検査ガイド2016に従い、セミアルカリプロテアーゼで溶解後、NALC処理を実施し2%小川培地に0.1ml摂取した。ACP法はNALC沈渣0.5mlにアシッドプラスを等量加え10分処理後、もう1本の2%小川培地に0.1ml摂取した。その後35℃で8週間培養を行い、2本の小川培地の培養結果を比較した。【結果】小川法の汚染率はNALC法で52検体(16.9%)、ACP法で4検体(1.3%)であった。不一致となった検体は、◎柏﨑 里呼1)、穴原 美子1)、江端 晃子1)、佐藤 聡太1)、金子 雄宇太1)、葛西 晃司1)、芦 直樹1)、飯田 眞佐栄1)◎柏﨑里呼1)、穴原美子1)、江端晃子1)、佐藤聡太1)、金子雄宇太1)、葛西晃司1)、芦直樹1)、飯田眞佐栄1)上尾中央医科グル-プ 上尾中央臨床検査研究所1)上尾中央医科グル-プ上尾中央臨床検査研究所1)【はじめに】質量分析計を用いた血液培養陽性検体の迅速同定は様々な施設で検討され,また市販の前処理キットも販売されているが,操作が煩雑である事や,コストがかかる等の問題があり当施設では実施に踏み切れていなかった.今回は既に報告をされている幾つかの方法を組み合わせ血液培養迅速報告の検討を行ったので報告する.尚,本報告は2016年第45回埼玉県医学検査学会の第2報である.【方法】2019年2月から2019年6月までに血液培養で陽性となったボトルを無作為に抽出した.陽性ボトルより培養液を9mL分離剤入り採血管に採取し3000rpm/10分遠心.上清を除いた沈査を基礎試料として集菌方法,回収液,洗浄回数,前処理方法の検討を行った.【結果】第1報で報告した遠心集菌法でScore≧2.0で同定できた割合は全体で59.4%(63/106)であったのに対し本検討の上清集菌法では82.3%(79/96)であった.上清集菌法における回収液の違いによる同定一致率は,生理食塩水77.4%(41/53),喀痰溶解剤81.1%(43/53)であった.洗浄回数の違いによる同定一致率は1回洗浄76.1%(35/46),~質量分析計による迅速同定~浄1回,ギ酸混合法で測定とした.同条件での一致率は腸内細菌94.8%(147/155),Staphylococcus属64.9%(122/188),Enterococcus属83.3%(25/30)などであり,全体一致率は71.96%(326/453)で誤同定は無く,新たにかかる費用は70円未満であった.【考察】同定一致率は検討ごとにその時点で検出された菌種による事が大きいため細かい優劣の比較はできなかった.一致率が低い菌種も存在するが,操作が簡便で且つ,コストも低く,陽性検体の70%以上が迅速に誤同定なく報告できる本法は非常に有用と考える.連絡先:048-997-771(内線200)一般演題 微生物一般演題 微生物喀痰前処理液アシッドプラス®を用いた抗酸菌固形培養の検討103一般演題一般演題微-10(第3会場 10:44~11:12)微-11(第3会場 13:10~13:46)喀痰前処理液アシッドプラス®を用いた抗酸菌固形培養の検討血液培養迅速報告の検討~質量分析計による迅速同定~1012

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