埼臨技会誌 Vol66
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45一般演題 微生物一般演題 微生物血液培養の迅速同定及び薬剤耐性遺伝子検出についてCryptococcus neoformansによる髄膜炎の一例細菌検査室 048-965-1111(内線 3217)◎高橋来未1)、松原李樹1)、森泉茉耶1)、飯島一憲1)、佐々木真一1)、古畑健司1)◎高橋 来未1)、松原 李樹1)、森泉 茉耶1)、飯島 一憲1)、佐々木 真一1)、古畑 健司1)株式会社 ビー・エム・エル総合研究所1)株式会社ビー・エム・エル総合研究所1)【はじめに】血液感染症、特に敗血症患者に対する適正な抗菌薬投与の遅れは、患者の予後や致死率に影響を与える。しかし従来の培養法による細菌同定・薬剤感受性試験では報告まで日数を要するため迅速な検査法の開発導入が求められている。今回我々はVerigeneシステムによる同定法について検討したので報告する。【材料】2017年10月から2017年11月までにBML川越総合研究所で血液培養陽性となった50検体を用いた。【方法】Verigeneシステム敗血症パネル(BC-GP、BC-GN)を用い仕様書に従い測定を行った。【結果】培養法で陽性になったコロニーを自動同定装置マイクロスキャンWalkAwayを用いて同定した結果とVerigeneシステム敗血症パネルを用いて同定した結果を比較したところ、46/50検体(92%)一致した。一致しなかった検体は、WalkAwayでMRCNSであったがVerigeneシステムでmecA(-)が3検体、WalkAwayでMSCNSであったがVerigeneシステムでmecA(+)が1検体であった。◎堀口 祐希1)、保坂 樹里1)、安西 菜摘1)、島村 明花1)、矢澤 淳子1)、永野 栄子1)、本田 なつ絵1)、春木 宏介1)◎堀口祐希1)、保坂樹里1)、安西菜摘1)、島村明花1)、矢澤淳子1)、永野栄子1)、本田なつ絵1)、春木宏介1)獨協医科大学埼玉医療センター1)獨協医科大学埼玉医療センター1)【はじめに】 Cryptococcus neoformansは酵母様真菌の一種で、汚染された土壌の吸入により肺に初感染巣を形成しクリプトコックス症を発症する。病原性が高く健康人にも発症がみられるが、造血器腫瘍患者やAIDS患者といった細胞性免疫能の低下した患者では血行性に播種性感染を起こしやすい。今回、HIV陽性患者のCryptococcus neoformansによる髄膜炎症例を経験したので報告する。【症例】 40代、男性。海外渡航歴なし。現病歴:1ヶ月前よりめまい、吐き気が出現。1週間前より頭部から頸部にかけての頭痛が著明となり、発熱がみられたため夜間救急搬送となった。採血、頭部CTの結果に異常がみられなかったため一時帰宅となったが、翌日も症状が続いたため当院外来を受診し、緊急入院となった。【結果】 入院時検査所見:CRP 0.06mg/dL、WBC 4.4×103/µL、β-D-グルカン <5.0pg/mL、クリプトコックス抗原 陽性、HIV Ag/Ab 陽性、HBs Ag 陽性。髄液細胞数 17/µL、髄液蛋白 72.3mg/dL、髄液糖 54.4mg/dL。細菌学的検査:髄液の直接塗抹ではグラム染色、墨汁染色【考察】Verigeneシステム敗血症パネルの検出カバー率は陽性菌パネルで87.3%、陰性菌で80.5%とされており、今回、血液培養陽性50検体について検討を行った結果、全ての検体において菌種の同定ができた。また、陽性ボトルから直接パネルにセットし2~2.5時間で結果が出ることから、敗血症の診断および治療に非常に有意義なシステムであると考えられる。連絡先:株式会社ビー・エム・エル総合研究所 細菌検査課電話番号:049-232-3133(直通)ともに菌は認められなかった。24時間炭酸ガス培養後、ヒツジ血液寒天培地にクリーム色のコロニーの発育を認めた。グラム染色では酵母様真菌がみられ、墨汁染色にて厚い莢膜が観察された。MALDI-TOF MSの結果からCryptococcus neoformansと同定し、莢膜遺伝子の検査を行わなかったため、血清型の分類はできなかった。結果報告後、L-AMB、5-FC併用にて約3週間の治療を開始した。本菌陰性を確認後FLCZによる維持療法を行い、退院後はFLCZ併用のもと抗HIV療法が実施された。【まとめ】 本菌による死亡例の多くは、診断の遅れが関係していると言われており、速やかな同定報告が必要となる。本症例では、髄液提出の翌日に本菌検出の結果報告を行い、早い段階で治療を開始することができた。患者背景の確認や、臨床とのコミュニケーションを継続し、今後も速やかな結果報告に努めていきたい。100一般演題一般演題微-4(第3会場 9:30~10:06)微-5(第3会場 10:07~10:43)血液培養の迅速同定及び薬剤耐性遺伝子検出についてCryptococcus neoformansによる髄膜炎の一例

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