埼臨技会誌 Vol
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70連絡先:048-777-1111(内線2417)当検査室における検査材料別分離菌検出状況について血液培養からEdwardsiella tardaが検出された一例◎小島 久美子1)、金田 光稔1)、齋藤 真紀子1)、神山 清志1)◎小島 久美子1)、金田 光稔1)、齋藤 真紀子1)、神山 清志1)浦和医師会 メディカルセンター1)浦和医師会 メディカルセンター1)◎斉藤 はるか1)、橋本 亜美1)、本橋 涼1)、松井 菜摘1)、菊池 裕子1)、奥住 捷子1)◎斉藤 はるか1)、橋本 亜美1)、本橋 涼1)、松井 菜摘1)、菊池 裕子1)、奥住 捷子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)【はじめに】感染症治療を適切に行うには,臨床検体から分離された病原菌の検出状況と傾向を把握することが重要である.分離菌は由来材料によって異なるため,由来材料ごとの情報が必要である.今回われわれは,当検査室に提出された検体を対象に,材料別分離菌の検出状況について集計したので報告する.【対象・方法】2007年4月から2018年3月までの11年間に当検査室に細菌培養同定検査目的で提出された喀痰,咽頭分泌物,鼻分泌物,糞便,尿,尿道分泌物,膣分泌物,膿,耳分泌物,眼分泌物検体114,642件を集計対象とした.培養検査は,TSA5%SB/BTB寒天培地(日本BD株式会社)を基礎培地として20~22時間通常好気培養を実施し,鼻分泌物および耳分泌物,喀痰検体は,追加培地としてバシトラシン添加チョコレート培地(日本BD株式会社)を使用した.糞便検体は,糞便の性状によって使用培地を選択し,その他は塗抹検査結果を鑑みて使用培地を選択した.【結果】11年間で最も多く提出された検査材料は,鼻分泌物28,319件(24.7%)であった.鼻分泌物で最も多く検出され【はじめに】Edwardsiella tardaは淡水魚・爬虫類の腸管,湖沼・河川水などに分布する腸内細菌科のグラム陰性桿菌である.下痢症の原因菌として分離されることがあり,まれに日和見感染を起こし,創傷や血液から検出されることもある.今回我々は,血液培養よりE.tardaを検出した1例を経験したので報告する.【症例】50歳代男性.既往歴に糖尿病あり.血糖コントロールは不良.S状結腸癌のため10月上旬に手術を施行し,1ヶ月後より化学療法を開始.4月に食欲不振,嘔気などを主訴に車イスで外来を受診し,脱水の診断にて輸液目的で緊急入院となった.末梢血液白血球数9500/μL,CRP 15.80mg/dLと高値のため重症感染症とし,第2病日目に血液培養を採取しCFPMを投与した.第3病日目からはDRPMに変更となった.【結果】第2病日目に提出された血液培養ボトル2セット4本が陽性となり,鏡検にてグラム陰性桿菌が観察された.羊血液寒天培地,BTB寒天培地,チョコレート寒天培地を用いて培養し,24時間で無色半透明のコロニーを形成した.自動同定感受性装置MicroScan WalkAway 96 plus(ベックマン・た菌種は,インフルエンザ菌9,723件/28,319(34.3%)であった.耳分泌物では,黄色ブドウ菌2,590件/7,087(36.5%)であった.咽頭分泌物では,黄色ブドウ球菌2,007件/9,528(21.1%)であった.喀痰では,酵母様真菌1,093件/4,938(22.1%)であった.糞便では,キャンピロバクター属2,069件/21,245(9.7%)であった.尿では,大腸菌8,297件/19,328(42.9%)であった.膣分泌物では,酵母様真菌3,652件/20,015(18.2%)であった.膿では,黄色ブドウ菌423件/1,725 (24.5%)であった.【まとめ】今回11年間の材料別の分離菌を集計した.呼吸器材料で最も多く検出された菌種は,黄色ブドウ球菌であった.泌尿器材料では,大腸菌であった.糞便検体では,キャンピロバクター属であった.検体数は,2007年から2012年までは増加傾向であったが,2013年以降は減少傾向であった.浦和医師会メディカルセンター0488241629(EXT;313)コールター社)を用いて,同定及び薬剤感受性検査を行った.コロニーの色調が類似するSalmonella属菌との比較では,インドール試験(+),シモンズクエン酸塩(-),の点で相違がみられ,E.tardaと同定した.薬剤感受性結果は良好だった.またBRUKER社の質量分析装置でもE.tardaと同定された.血液培養からは同時に基質拡張型β-ラクタマーゼ産生Escherichia coliも検出された.第9病日目に提出された便培養からは,E.tarda ,E. coli(ESBL)ともに発育は認められなかった.【まとめ】E.tardaは稀な菌であるため同定に苦慮した.本菌による血流感染症は肝硬変や糖尿病などの基礎疾患をもつ患者に発症することが多い.劇症型感染症の致死率は45%と高いとされており,迅速かつ確実な菌種同定が必要だと考えられる.患者の臨床症状や基礎疾患をふまえて菌種を推定していくことの重要性を再認識した.EntryNo. 3EntryNo. 68当検査室における検査材料別分離菌検出状況について血液培養からEdwardsiella tardaが検出された一例微-2(第4会場 9:30~10:07)微-3(第4会場 9:30~10:07)
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