埼臨技会誌 Vol
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57厚生労働省が発表した推計によれば2025年には認知症患者数は約700万人に達し、65歳以上の高齢者の5人に1人を占めると予想されています。特に埼玉県の場合、認知症患者数全国5位、認知症患者増加率に関しては全国トップと言う予測統計結果が出ていることより、この問題を重要視しなければなりません。 近年、増加する認知症患者に対し臨床検査技師が医療現場において、どのように関わりを持てるかが注目されています。このような背景の中で日本臨床衛生検査技師会は認知症に対して十分な知識を有し、診断や治療評価に必要な検査を行なえる臨床検査技師に対して「認定認知症領域検査技師」の制度を立ち上げました。 「認定認知症領域検査技師」は多様性を秘めていますが、直ちに取り組めるものとして、認知症関連検査の1つである生理機能検査(脳波検査・頸動脈超音波検査)の実施、臨床検査に関する専門性を活かした認知症ケアチームへの参画、認知症予防の啓発活動、そして神経心理学的検査への積極的な参入などが挙げられます。 臨床検査技師による神経心理学的検査の参入 渋谷 賢一(越谷市立病院) 当院は許可病床数481床の地域中核病院であり認知症初期診断を特徴の1つに掲げており、認知症指導医(日本認知症学会)の資格を有する2名の神経内科医が常勤しています。以前より認知症関連検査のうち脳波検査、頸動脈超音波検査は臨床検査技師が実施、神経心理学的検査は作業療法士(リハビリテーション科所属)が実施していました。しかし、患者数の増加に伴う検査件数増加、新規検査の導入、認知症疾患に関する治験の参加等で体制を見直す必要が出てきました。このような状況の中、当院臨床検査科でも「認定認知症領域検査技師」が誕生し、平成29年7月より臨床検査技師による神経心理学的検査を開始しました。 当院臨床検査科の神経心理学的検査参入の経緯、技師の人材育成、使用機材・検査室の確保、他職種との交渉、神経心理学的検査の運用、今後の展望など経験をもとに報告します。 少しでも多くの臨床検査技師が神経心理学的検査に関与し、認知症患者の早期発見、適切な治療に貢献することを望みます。 連絡先 048-965-2221 渋谷 賢一…(越谷市立病院) 臨床検査技師による神経心理学的検査の参入
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