埼臨技会誌 Vol
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KPC 600 pg/mL OXA 300 pg/mL VIM 300 pg/mL IMP 200 pg/mL NDM 150 pg/mL NDM : NDM-1 -4 -5 -6 -7 -9 KPC : KPC-2 -3 IMP : IMP-1 -8 -11 VIM : VIM-1 -2 -4 -19 OXA-48-like : OXA-48 -162 -181 -204 -232 -244 -517 新規カルバペネマーゼ簡易検出試薬のご紹介 ○柴原 裕亮(日水製薬株式会社)○柴原裕亮(日水製薬株式会社) 121【背景】 近年、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)が国内外にて問題視されている。どの耐性機序による菌に感染したのかを迅速に判定することが、治療方針の決定や院内感染対策において重要であり、カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)の鑑別も重要となっている。耐性遺伝子は、腸内細菌から他の腸内細菌に伝播し、さらに菌種を超えて拡散する可能性があり、特別な注意が必要とされている。2017年10月に日本化学療法学会、日本感染症学会、日本環境感染学会、日本臨床微生物学会、4学会連携で感染対策の重要性について提案が挙がっている(学会としてメロペネムの最小発育阻止濃度 0.25μg/mL以上を提案)。今回、CPEを検出するイムノクロマト法を用いた簡易なカルバペネマーゼ検出試薬、NG-Test CARBA5を紹介する。 【試薬構成】 ・テストカセット ・抽出液(4.5mL) ・分注用チューブ ・菌液採取用スポイト ※保存温度4~30℃ ※有効期限24ヶ月 ※使用前に室温に戻す 【測定項目】 以下の図のように、NDM、IMP、VIM、OXA、KPC型のカルバペネマーゼが検出可能である。 【操作フロー】 前培養(LB寒天培地、TSA寒天培地、MH寒天培地などを推奨) ↓ 分注用チューブに5滴抽出液を滴下(150μL) ↓ ループで1コロニーを採取して抽出液に懸濁 ↓ スポイトで懸濁液を100μL採取 ↓ テストカセットに滴下 ↓ 15分後に目視で判定 以上J Antimicrob Chemother. 2018 Apr 1; 73(4): 909-915から 以上IMPについては当社で評価を実施した。 【性能】 検出限界(リコンビナント抗原による試験) 特異性(反応性が確認できているもの) -519 -535 ※OXA-163とOXA-405で交差反応あり 【まとめ】 ・NG-Test CARBA 5は、簡易な操作で分離培養したコロニーから15分程度でカルバペネマーゼ産生の有無を判定可能であった。 ・薬剤耐性因子は数多く知られているが、主要な5種のカルバペネマーゼ産生の有無を早く知ることは、感染対策の早急な対応に繋がるものと考えられた。 新規カルバペネマーゼ簡易検出試薬のご紹介CM-5(第4会場 10:08~10:45)
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