埼臨技会誌 Vol
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(PAS反応, エラスチカ・ワンギーソン染色, マッソン・トリクローム染色, 渡辺の鍍銀染色), 免疫染色(ⅰ. 抗サイトケラチン抗体AE1/AE3 ⅱ. 抗INI1抗体 )を行い, 染色性について比較検討した. 【結果】ホルマリン濃度間, 中間剤間ともにHE染色における核や細胞質の染色性に差異はなく, 特殊染色におけるグリコーゲンの検出や弾性線維, 膠原線維, 細網線維の染め分け, 免疫染色における核, 細胞質の陽性所見にも大きな差はみられなかった. また臓器の収縮等の影響も大きな差は見られなかった. 【まとめ】キシレンを用いた現行法と2-プロパノールを用いた代替法は染色性に大きな差異はなく, 診断する上での支障は見られなかった. キシレンの使用を控えることにより身体への影響が低減されるだけでなく, キシレン廃液がなくなることから環境に優しく, 作製コストを抑えることが可能になる. 引き続き2-プロパノールを用いて作製したパラフィン標本の染色性について検討していく. 連絡先:048-601-2200 (代表) 106【はじめに】キシレンは病理組織標本作製においてパラフィン浸透における中間剤として広く使用されている有機溶剤である. キシレンの高濃度暴露は, 頭痛, 吐き気, 意識喪失, 神経障害等の健康障害を引き起こすことが明らかになっている. さらに妊娠や出産にも影響があるとして女性労働基準規則にも新たに登録された. 以上のことから近年ではキシレンを用いた病理標本作製に対する安全性が懸念されている. そこでキシレンの代替に2-プロパノールを用いた自動包埋処理方法を検討したので報告する. 【対象と方法】対象はマウス(C57BL/6J ♂ 11週齢, 13週齢)の脳, 肺, 肝臓, 腎臓, 脾臓, 腸管を用いた. 各臓器を10%,20%中性緩衝ホルマリンでそれぞれ24時間固定し, LOGOS自動組織包埋装置(マイルストーン社)を用いて2種類のプログラムで処理を行った. ①(現行法):エタノール3層, キシレン2層, パラフィン1層 ②(代替法):エタノール3層, 2-プロパノール2層, パラフィン1層①,②で処理した組織を同一ブロックに包埋し薄切を行った後, ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色), 特殊染色【はじめに】ホルマリンは組織の固定や保存・病理診断に欠かせない化学物質であるが,平成20年より特定化学物質障害予防規則第3類から第2類へ変更となり管理濃度が0.1ppmに設定され,6ヶ月以内ごとに1回の作業環境測定が義務づけられている.当院では病理切り出し室,内視鏡室,手術標本室,検査部および解剖室で作業環境測定を行っている.なかでも解剖室で行う臓器整理では,診断後一定の保存期間が経過した臓器からホルマリンを分離し,水切り・箱詰めするまでを行っており,大量のホルマリンを扱うため作業環境評価基準を第1管理区分とすることが困難である.旧病院では建物の老朽化のために解剖室のみ第3管理区分となっており防毒マスクを着用して作業を行っていたが,昨年の新病院移転に伴い解剖室のホルマリン対策を行った結果,第1管理区分とすることができたので報告する.【方法】新病院移転に際して解剖室の3槽流し台に局所排気装置を設置しホルマリン廃液タンクを直結させ,ホルマリン処理臓器整理におけるホルマリン対策◎山﨑 聡子1)、急式 政志1)、柿沼 幹男1)、坂中 須美子1)、伊村 浩良1)、岸本 宏志1)、中澤 温子1)◎山﨑 聡子1)、急式 政志1)、柿沼 幹男1)、坂中 須美子1)、伊村 浩良1)、岸本 宏志1)、中澤 温子1)埼玉県立小児医療センター1)埼玉県立小児医療センター1)◎山岸 均1)、篠﨑 友美1)、山口 瑞絵1)、舟橋 幸子1)、川口 宏美1)、中沢 清1)、伊佐山 絹代1)◎山岸 均1)、篠﨑 友美1)、山口 瑞絵1)、舟橋 幸子1)、川口 宏美1)、中沢 清1)、伊佐山 絹代1)さいたま赤十字病院1)さいたま赤十字病院1)装置を併設した.流し台の中に設置したバスケット型リスボックスへ臓器とホルマリンを投入し,ホルマリンのみ排水口から直結した廃液タンク内へポンプで流入させた.また,局所排気装置からホルマリンが発散しないよう装置の前面をビニールで覆い,室内の気流が局所排気装置へ向かって流れるよう調整した.【結果】環境測定業者による作業環境測定の結果,作業環境評価基準は第1管理区分であった.【まとめ】大量のホルマリンと長期間ホルマリンに浸漬された臓器を扱う臓器整理時においても,適切な設備の利用と作業者の教育・研修を行うことで作業環境評価基準を第1区分とすることができた.今後とも第1区分を維持していけるよう取り組みを継続していきたい. 連絡先:048-852-1111(内線20621)キシレン代替として2-プロパノールを用いたキシレン代替として2-プロパノールを用いた自動包埋処理方法の検討自動包埋処理方法の検討臓器整理におけるホルマリン対策病-1(第9会場 9:30~10:06)病-2(第9会場 9:30~10:06)EntryNo. 31EntryNo. 72
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